FUJI TELEVISION Announcer's Magazine アナマガ

吾輩は褐色である

クラゲにご用心

2013/08/22 00:00
posted by 榎並大二郎
『救命妄想24時』
―妄想にも救える命があると思う―

♯01 「クラゲにご用心」
主演:大島由香里






榎並 「あー、イテテテ…」

大島 「ダメ!かいちゃ!悪化するよ!」 


榎並 「あ、大島さん…」

大島 「それ、クラゲでしょ?あーあ、こんなに腫れちゃって…
    早く氷水で冷やしなさい!」 


大島 「いい?クラゲに刺されたら、絶対に素手で患部に触れないこと!
    触手を洗い流すときは、真水じゃなくて海水でね!」


榎並 「へぇ…海水なんですね。」

大島 「とにかく、症状がひどい場合はすぐお医者さんに診てもらうこと!」 


榎並 「すみません…」

大島 「…まったくもう。でも、大事に至らなくて本当に良かった…。
    種類によっては命を脅かす猛毒クラゲもいるんだからね。
    本当に、無事で良かった…。」


榎並 「大島さん…」 

大島 「…さっきはつい口調がキツくなっちゃってごめんね。
    榎並のことが心配で思わず…」 


榎並 「…え?」

大島 「榎並にもしものことがあったら私…」


目に涙を浮かべる大島。


大島 「…まあ、クラゲに刺されるなんて榎並らしいけどね。
    そうやって抜けてるようでいて、実はしっかり者で、
    頼りがいがあって、褐色肌もワイルドで…」 


榎並 「お…大島さん?一体どうしちゃったんですか…?」

大島 「どうもこうもないよ。これが私の素直な気持ち。変…かな…?」

榎並 「い、いえ…嬉しいですけど…。
    普段そんなに誉められることないからなんか妙な気分で…」

大島 「そういう謙虚なところも素敵…」


榎並 「な、なんだか…か、体に力が入らない…」


脱力感に襲われる榎並。

その様子をみるや、ほくそ笑む大島。


大島 「…ふふん。」 
 

榎並 「…大島さん?」 

大島 「ふっふっふ、かかったな単純小僧よ。」

榎並 「ど、どういうことですか…?」

大島 「ふふ。クラゲに刺されるような間抜け者は、
    褒め殺しで骨抜きにしてしまおうと思ってな。
    ははは、その姿まるでクラゲのようだぞ、榎並よ。」 


榎並 「か、からかったんですかっ!」


顔を紅潮させ、憤りをみせる榎並。


榎並 「何か様子が変だと思ったら…まったく!」

大島 「ふふふ、ごめんごめん。」

榎並 「人をクラゲ扱いしないで下さい!」

大島 「…怒ってる?」

榎並 「怒ってますよ!」



大島 「ごめんてば…そんな怖い顔しないで…?」 


榎並 「ぐぅ…その上目遣い、勘弁して下さい…。
     ああ、もう骨抜き…。ヨホホホホ…。」


おしまい