FUJI TELEVISION Announcer's Magazine アナマガ

吾輩は褐色である

秋分トラジディー

2014/09/23 20:49
posted by 榎並大二郎
「いい天気だし…歩くか」

通勤の際、自宅から最寄り駅まで自転車を使っているが、
今朝は時間に余裕があったので歩いて駅まで向かうことにした。

気まぐれな歩み。その先に見つけた大切なもの―

流れる景色の一部でしかなかった木には、青柿がたわわに実っていた。
見上げた空は高く、うすい雲がのびていた。
遠くの方から微かに聞こえてくるツクツクボウシの声。

「もう秋、か…」

慌ただしくペダルを漕いでいて気が付かなかった、季節の移ろい。
自分は何を急いでいたのか。

立ち止まって、思いっきり息を吸った。

「ゆっくり生きていこう」
そう、心に決めた。

そして…





電車に乗り遅れた。





東京テレポート駅からフジテレビまで、
紅葉のように目を血走らせながら猛ダッシュした。

「ゆっくりしてる場合じゃない」

再確認した入社7年目の秋。




「皆さん、寄り道はほどほどに♪」