こんにちは
新美です(^◇^)
タイトルだけだと、ドキッとするかと思いますが
最近観たお芝居です。
ふり返れ!!!と、とっさに思った方は、ぜひ私とお友達になりましょう。
中村倫也さん主演の『怒りをこめてふり返れ』という舞台です。
相変わらずお休みはなるべく舞台を観にいっているのですが、
この作品の感想を1人では背負いきれず…観終わって数日経った今でもモヤモヤしています…笑
イギリスのとある家の、とある部屋を舞台に、
25歳の若者ジミーと妻、友人を中心に物語は進んでいきます。
およそ3時間、『もうやめてくれ!』とこちらが懇願したくなるほどの罵り。んー文句でしょうか。
主人公ジミーがひたすら周りに当たり散らしているのです。
舌を噛みそうなほどのスピード感のあるお芝居が続いたと思ったら、
何事もなかったかのような静寂が訪れ…
また堰を切ったように言葉が溢れ、再び観客の息遣いだけが聞こえてくるような静けさ。
その緩急に、つい引き込まれてしまい、あっという間の3時間でした。
主演の中村倫也さん、色んな作品に出演されているのですが
すべてベクトルの違うキャラ、そして演じ分けが巧みすぎて
あれ?同じ人?と思うほど。大好きな俳優さんです。
今回演じられているジミーは、とにかく最初は嫌なやつ。
そしてよく喋る!
(ぎょっとするほど膨大な台詞の量を目の当たりにできるだけでも観る意味が。)
ジミーは繰り返しの毎日に慣れてしまうことを無性に怖がり、
階級社会や政治、宗教に対する憂いもあいまって、結局何に対してなのかわかりきらない漠然とした不安が
どこに向けていいのかわからない怒りとなって溢れ出し、
戸惑う代わりに周りに当たり散らすのです…。
そんなジミーの安定しない心情が、
大学を出て働き出し、若さが刹那的なものであることに気づきはじめるであろう25歳という
どうしようもなく不安がる年頃ゆえのものなのかなあ…と25歳の私は解釈したのですが…。
このままだとただのめんどくさい嫌なやつなのですが、後半になるにつれ…あれ、意外と嫌いになれない…?
という気持ちにさせてくる。
この辺りの中村倫也さんの演じ分けが、とてもにくい…。
思わず胸をギュッと掴まれて離れられなくなるのです。
紛れもなくいい人である友人を演じる浅利陽介さん(月9も撮影中のはず…!!)と、
ジミーの怒りに辟易としながらも完全に嫌いにはなれないでいる妻を演じる中村ゆりさん。
その一室に住まう人間として、何の違和感をも抱かせることない2人の演技が自然すぎて、
表現が難しいのですが、そこに2人がちゃんと『いる』のです。
本当に、つい出待ちをしそうになるほど、素晴らしい舞台でした。
(残念ながらできませんでしたが笑)
観終わったあとに、1人では持て余してしまう、なんとも言えない感情が押し寄せてくるのです。
初演時のイギリスの、見えないところでぐつぐつ煮立つ階級社会などへの怒りを
完全には理解できていないかもしれませんが、
矛先のわからない怒りをまわりにぶつけては後から悔やむような経験は、
もしかしたらどの時代の人間にもあるのかもしれないなあ、なんて思ったり。
解釈は人それぞれということで、大目に見てくれたら嬉しいです。
それにしても、
んーまた観たい!と思えるお芝居に会えると嬉しいですよねー!
って、あれ、私だけかな。
懲りずにオススメしていきます。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。大好きです。笑
文字数の制限が出たので、この辺で…
にいみ