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佐々木恭子の行き当たりばったり

超一流のひとびと。

2018/06/25 17:34
posted by 佐々木恭子
今日は、パラリンピック応援プロジェクト、「PARA-DO 」トークショーの司会をしてまいりました。

あぁー、もっと時間ほしい、、、と終わり時間を無視したくなるほど(笑)、もっと聞きたい気持ちになりました。

ゲストは、パラリンピアン、走り幅跳びの芦田創さん。
そして、聞き手には前園真聖さん。

右上肢機能障害で、右腕は五年生頃のまま成長していない。
左手は、いわゆる体格のいい成人男性そのもの。
身体の左右バランスは、左側に2リットルのペットボトルを抱えて走っている感覚だそうです。

幼い頃にデスモイド腫瘍とわかり、あまり運動はするなとセーブされながら、毎年手術を繰り返す生活。

でも、走ると速かったし、スポーツは楽しい!とは思っていたそうです。

いよいよ右腕を切断しなくてはいけない局面に立たされて、決断したといいます。

どうせ腕がなくなるのなら、好きなことやったるで!
それが陸上だったそう。

好きなことをやると決めたのが功を奏したのか、病気も劇的に回復し、高校ではいわゆる健常者と同じチームで練習し始めると、そこからは楽しいけれど挫折感も相当味わったと。なかなか結果がついてこない。記録では太刀打ちできない。でも、障がい者のカテゴリーで試合に出ると、努力せずとも勝ててしまう生温さを感じる。
その気持ちを、誰とも分かち合えない。

どこに向かって燃えていいのか、、、わからなかったのだといいます。

変わったのは、大学後半から。

障がいに甘えるなよ、という今のコーチの初対面の一言でスイッチが入ったそうです。

芦田さんの潜在能力を見越してこれを言えるコーチも、奮起する芦田さんも、、、心からすごいなと思う。


前園さんのアスリート的視点で引き出される話の中にも散りばめられていましたが、

いいことばかりじゃない、逃げ出したい、実際逃げようと思った、笑 追い込まれるプレッシャーの半端なさ、自分のためだけではなく、たくさんの誰かのためを背負う覚悟。


アスリートは孤独であるとおっしゃってましたが、、、確かになぁ。

当たり前だけど、誰も代わりに試合には出られない。
わたしなぞ、世界を見据えて勝負するため、追い込めるだけ追い込んだこともない。

超一流のひとびとしか味わえない境地や、見られない景色があるのだろうけれど、それは孤独というのか、孤高であることと対になるのだなぁ、、と、思った次第です。

そして、芦田さんは孤独ということをとても明るく楽しそうに口にされる、おもしろいお兄さんでもありました。

生きることに燃焼している人は、まぶしいです。

芦田さんは以前、PARA-DOの番組で、一流のアスリートになりたいと答えていました。
一流とは、自分の考えなどを人前できちんと話せて、人にいい影響を与えていける人だと。

アスリートに限らず、すごくステキな定義ですよね。
人にいい影響をもたらせるひと。

わたしも、今日、たっくさんの前向きなエネルギーをいただきました。
正直な気持ちが人を動かすということも。

パラリンピック、たくさんのストーリーを知ってこれから応援したいです。