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佐々木恭子の行き当たりばったり

それぞれの場で。

2019/03/05 17:43
posted by 佐々木恭子
先日、ぽかっとした隙間時間にスカイプでフィリピンの女性と軽く話すつもりが、随分と深い話になったのですよね。
といっても、私の英語力では表現できる気持ちが少なすぎて、主に聴き手だったのですが・・・。

ニュースに携わる仕事をしていると自己紹介すると、「え〜〜!まさに私の憧れの仕事!」と堰を切ったように話し始めてくれました。

彼女いわく、大学でジャーナリズムを学んでいたのだけれど、1年で妊娠して退学。
なかなか子育てしながら学生を続けるのが難しかった。
復学も考えているけれど、卒業しても女性でメディアの仕事に正規で就ける可能性は低く、
卒業した同級生たちも非正規で働いていると・・・。

私も、今46歳だけど、日本で男女雇用の機会を均等にする法律ができたのも10年上の先輩たちからだし、育休とって働き続ける数が増えたのもようやく最近、非正規だと権利はあっても、現実的には育休後の復帰にはまだ壁があること、等
話しました。

「スーパーウーマンじゃなくても、働く気持ちがある限り、当たり前のように働けたらいいのに」と顔は笑顔だったけれど。後ろで泣き出す子どもをあやしながら話してくれる、20代半ばの女性のつぶやきにいろいろと考え、共感しました。

「スーパーウーマンじゃなくても」の代わりに入る言葉は、たくさんある。


何かとすごく大きなものと闘ってきたという感覚もなく、もがきながらも何とか諦めずにいたら会社員生活が長くなった。
周りの理解に恵まれたのも、大きいと思う。

ただ、いろんな局面で飲み込みづらい魚の小骨のようなものはあって、すっかり精神的マッチョになった私は、その小骨がどんなものかも確認せぬまま、飲み込み、さらに消化までしてきちゃったけど、本当は、その小骨を取り出してみることは、誰にとっても生きやすい社会のためには、大事だったのだと思う。小骨が引っかかっちゃいました、と言える勇気というのか。

悔いは残りつつ、、、これからは言ってみることも大事な年次なのかもしれない。
この小骨が何か役に立つとすれば、、、と考えながら。