危機一髪!あり得ない緊急通報でガス爆発を免れた老人

今から13年前の2005年3月。
アメリカ・ミシガン州で独り暮らしをするメイプルさんに、目に見えぬ危機が静かに忍び寄っていた…
真夜中、メイプルさんが寝ていると…誰かがドアを叩いていた。
それは…地元の警察官だった。

警察官は、メイプルさんの無事を確かめると、家の中を調べるからメイプルさんには家から出るように指示。
すぐに警察が家の中を調べると…室内には、異臭が漂っていた。
一体、メイプルさんの家で何が起きているのか?

それは、彼が寝付く30分程前のこと…
スイッチを切ったはずのリビングの暖房機から…ガス漏れが起きていたのだ!
しかもその濃度は、電気のスイッチなどからかすかな火花が起これば、大爆発が起きてしまってもおかしくない危険な状況だった。

ガス爆発寸前のところで、九死に一生を得たメイプルさん。
しかし…なぜガス漏れが分かったのだろうか?

実は、最初に警察に連絡を入れたのは、民間のセキュリティ会社だった。
日本では、ガス漏れが起きた場合、検知器が作動し、契約しているガス会社に自動的に通報される。
一方アメリカでは、ガス漏れを含む有事の際、契約者の家に設置された『パニックアラーム』と呼ばれる通報装置が、セキュリティ会社にその住所を送る仕組みになっていた。
そもそも、アメリカのセキュリティ会社は警察と連携しており、緊急通報が入った際は、セキュリティ会社が管轄の警察署に連絡。
警官が急行する事になっているのだ。

だが、ここで驚くべき事実が発覚する!
実は、このパニックアラーム、緊急事態を自動的に検知する物ではなく、誰かが通報ボタンを押さない限り、信号が発信されない仕組みになっている。
だが、メイプルさんは一人暮らし…寝ていた彼以外に、通報できる者は誰もいないはずだった。
それどころか、何と通報の発信元であるメイプルさんの家は、セキュリティ会社と契約すらしていなかったのだ!

身に覚えのない緊急通報によって、間一髪命を救われたメイプルさん。
だが、パニックアラームは、誰かが通報ボタンを押さない限り、緊急信号を発信しないはず…では一体、誰がボタンを押したのか?

セキュリティ会社に通報し、メイプルさん宅に警察を向かわせた人物…それは何と、まだ1歳の女の子、オリビアちゃんだった!
彼女が偶然押してしまったボタンこそ…自動的にセキュリティ会社に繋がる通報装置、パニックアラームだったのだ!
しかし、メイプルさんの家には、オリビアちゃんの姿などなかった。

それもそのはず、彼女がいたのは…何とメイプルさんが住むミシガン州から、1000キロも離れたフロリダ州だった!?
しかも2人は、互いの存在すら知らない赤の他人同士…にも関わらず、なぜ1000キロも離れたメイプルさんの家に警察を呼ぶ事が出来たのか?
そこには、ある信じられない偶然が潜んでいた!!

普段はカナダに住んでいるオリビアちゃん、この日は、たまたまフロリダ州に住む祖母の家に遊びに来ていたのだが…
実は、ミシガン州のメイプルさんの家には…以前、オリビアちゃんの祖母が住んでいたのである!
この時に、ホーム・セキュリティ会社と契約、パニックアラームを設置していた。

その後祖母は、フロリダに引っ越すことになり、装置も一緒に移動。
当然、セキュリティ会社に住所変更の届けを出したのだが…この時、担当者が住所を更新するのを忘れていたのだ。
このミスにより、通報ボタンが押されたのがフロリダ州でも、セキュリティ会社のシステムには、ミシガン州の住所が表示された。
そのため、現在の住人であるメイプルさんの家から、緊急通報が入ることになった。
しかも、本来なら間違い通報で終わる所が、その時、本当にガス漏れが起きていたのだ!

もしセキュリティ会社が、住所変更を忘れていなかったら…
もし祖母が、通報ボタンを子供の手の届かない所に置いていたら…
もしオリビアちゃんがあの日、偶然フロリダの祖母の家に遊びに来ていなかったら…
そして、メイプルさんの家でガス漏れが起きていた、その瞬間にボタンを押していなければ…
いくつもの偶然やミスが重ならなければ、メイプルさんの命は助からなかったかもしれない。

そんな九死に一生を得た彼は、当時の取材にこう答えている。
「命の恩人であるオリビアちゃんには、本当に感謝しています。もしこの町に遊びに来てくれた時は、アイスクリームを買ってあげたいと思います。」

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