仰天!詐欺の最新手口SP!


人間の欲や心の隙間を狙い、被害者を生み続ける詐欺事件。
昨年、全国の警察が把握した被害総額は、なんと約390億円以上にも上る!

神奈川県警で主に窃盗事件を担当、詐欺事件にも詳しい元刑事の小川泰平氏はこう語る。
「詐欺グループの手口も年々進化してきている。今回はこういった口実でうまくいった。次回は必ず違う方法で…警察も予測がつかない方法で詐欺の手口が増えてきている。詐欺の手口が進化してきていると言えると思います。」
果たしてあなたは、これを見ても絶対に騙されないと言い切れるだろうか?


『主婦を狙う恐怖の罠』
子どもが生まれたのを機に、主婦の和美(仮名)さんはそれまでの仕事を辞め、育児と家事に追われる慌ただしい日々を送っていた。
そんな彼女のささやかな楽しみは、他人のブログをチェックすること。
その日、たまたま目に入ったブログの投稿者は和美さんと同じ主婦、多くの読者を抱えるブロガーだった。

そのブロガーの女性は、華やかな日常の様子をブログで綴っていた。
和美さんは、そんな女性の生活に憧れた。
仕事を辞め、夫の収入のみでやりくりしている現在、華やかな暮らし振りを羨ましく思うのも無理はなかった。

すると…その女性ブロガーのある投稿に目が止まった。
『今のバイトを始めてホントによかった! 育児しながらでも簡単に稼げるなんて、本当に神バイト!』

さらにそのブロガーの投稿に対するコメント欄には…
『紹介してくれて本当にありがとうございました』
『半信半疑だったけど、私もやってよかった』

和美さんと同じ境遇の主婦たちから、感謝の言葉が多数寄せられていた。
贅沢はできなくても、生活が少し楽になれば…そんな思いから和美さんは女性にメッセージを送ってみることにした。

すると…数時間後、女性から返信があった。
早速、アルバイトの内容を詳しく聞いてみると…そのバイトとは、荷物の受け取り代行だという。

ネットなどで商品を買っても、家を空けがちで荷物を受け取れない人も多い。
そんな人が自分の代わりに近所に住む人の住所で商品を購入、その代行人に荷物を受け取ってもらい、購入者が都合の良いタイミングで取りに行く。
実際に決済を行う購入者が、届け先を自由に指定できるという、販売会社のサービスを利用したものだった。

しかも、荷物を受け取り手渡すだけで、1個に付き1000円が即日現金で支払われるという。
育児と家事をしながらでき、しかも高収入。
今の彼女にとって、これ以上の条件はなかった。

そして…女性からアルバイト先の業者を紹介してもらうと、登録に必要な氏名・住所・電話番号、本人確認に必要だという免許証の写真を業者に送信。
それから数日後。
受け取り代行の荷物が届いた。
そして翌日、代行を頼んだ男性が荷物を取りにやって来た。
事前に業者から教えられた名前で、依頼人だと確認すると…約束通り3000円が支払われた。

予想以上の手軽さに気を良くした和美さんは、さらに荷物を増やしてくれるようリクエスト。
希望通り、翌週には5つの荷物が届いた。
だが…代行の依頼人が取りに来られないため、指定した住所に転送してほしいという連絡が来たのだ。
仕方なく和美さんは指定された住所に荷物を転送。
更に、その翌週には6個の荷物が届いたのだが…再び荷物の転送を頼まれてしまった。

受け取った報酬は、初回の3000円のみ。
荷物の転送代は和美さんが立て替えていたため、実質マイナスになっていた。
和美さんは、業者に何度もメールを送ったのだが、3回目の荷物の受け取り以降、業者とは全く連絡が付かなくなっていた。
払った荷物の転送料は数千円、大した被害額ではなかった。
嫌なことは忘れてしまおうと、目に触れないようにそれまでの業者とのメールを全て削除。

3回目の受け取り以降、荷物が届くことはなく、和美さんも代行アルバイトの事はすっかり忘れていた。
そんなある日、契約した覚えのない携帯会社からの携帯電話やタブレット、セットで購入されたパソコンの端末代、総額25万円もの請求書が届いたのだ!
すぐに和美さんは携帯会社に連絡。
そこで驚愕の事実を知る。

なんと、請求書に記載されている荷物の受け取りサインを和美さん本人がしているというのだ!
さらに、和美さんの運転免許証で本人確認もされているという!
そう、これまで和美さんが代わりに受け取っていた荷物は、全て自らの免許証で契約された、自分名義の携帯電話やタブレットだったのだ!

実は、現在利用者が増えている「格安携帯電話会社」の中には、契約の際、免許証の写真で個人が確認出来れば、直接店に行かずとも契約できるものも少なくない。
犯行グループは、和美さんの名義で携帯電話やタブレットを購入、彼女自身に荷物を受け取ってもらい…それを本人の手によって、犯行グループの都合のいい場所まで転送してもらっていたのだ。
しかも、購入代金の請求書が、被害者の元に届くまでには、数ヶ月のタイムラグがある。
そのため、被害者が騙されたことに気づく前に、犯行グループは悠々と端末を転売、行方をくらますのだ。

業者とは連絡が付かない今、残された手がかりはブロガーの女性のみ。
だが、女性のアカウントは跡形もなく消えていた。

今回のケースでは、和美さんは個人情報を悪用された被害者。
自らの意思で契約した訳ではないため、本来、彼女に支払い義務は生じない…はずなのだが、実はここに重要なポイントがある。
それは、被害者自身が騙されたことを証明する必要がある、ということ。
ところが、和美さんは証拠となる業者とのメールのやり取りを全て消去してしまっていた。
業者に依頼し、データを復旧してもらうことも考えたが、費用がかかるうえ、必ず成功するとも限らず、諦めざるをえなかった。

この様な場合、どういったことが考えられるのか?
元神奈川県警の小川氏によると…
「運転免許証のコピーや写真を送り、タブレットやスマートフォンが届くとサインをしている。契約上は成立しているため、支払いの義務が生じ請求される可能性があります。」

実際、被害を証明できなかった和美さんは、25万円の支払いを余儀なくされたという。
SNSの利用者が増えたここ数年で、同様の荷物の受取り代行詐欺は一気に増加。
その被害総額は、1億円にも及ぶという。

こういったネットを使った詐欺に遭った場合、自らの潔白が証明できる業者とのメールなどは、証拠として必ず残しておかなければならない。
小川氏はこう話す。
「SNS上で募集しているものに、自分の身分証(免許証)を安易に送らない。時給1000円の時代に、2?3000円を簡単に貰える訳はない。美味しい話には必ず裏があるということを、常に頭に入れてもらいたいなと思います。」



『なぜ? 銀行口座に謎の入金』
その日、佐藤 清(仮名)さんは通帳記入をするため、銀行へと立ち寄っていた。
すると…心当たりのない名前で、3万円が振り込まれていた。
手帳を調べてみるも、思い当たる節は何もなかった。
仕方なく、お金はそのままにしておくことに。

それから、2週間ほどが経ったある日。
金融会社から、返済がされていないという電話がかかってきた。
佐藤さんは、消費者金融から借金した事など一度もなかった。

佐藤さんが何かの間違いではないかと言うと、金融会社の男は急に声を荒げてこう言ってきた。
「何すっとボケてんだよ!一週間前にお前が6万円を貸してくれって泣きついてきたから、利息を引いた3万を振り込んでやっただろが!」

突然、降りかかってきた身に覚えのない借金。
過去にカードや通帳を落としたこともなく、当然、他人に教えた記憶もなかった。

理由はともかく、振り込まれたお金は返した方がいいと判断した佐藤さんは、3万円を入金した。
だが…この行為が、彼をさらなる恐怖へと導くことになる。

3万円を返した後、金融会社からの連絡は無かったため、佐藤さんはお金の事など忘れかけていた。
そんなある日…金融会社の男からまた電話がかかってきた。
男は、今週分の利息が支払われていないと言ってきたのだ。

男の言い分はこうだ。
もともと金融会社は、6万円を貸して欲しいという佐藤さんのために一週間分の利息を差し引いた3万円を振り込んだ。
これは一週間の利息が借金の半分の額に相当するということ。
よって前回返した3万円も翌週の利息分に過ぎない。
つまり、毎週3万円しか返済しない場合、借金自体が減ることはないという。
しかしこれは、明らかに違法な高金利、その場合、本来利息を払う必要はないのだが、佐藤さんはこの事実を知らなかった。

しかも、金融会社の男は佐藤さんの自宅の住所を知っており、振込がなければ直接自宅に取りに行くと脅してきたのだ。
自宅の住所が知られている以上、何をされるかわからない。
恐怖に耐えかねた佐藤さんは、翌日、利息と元本、合わせて6万円全額を返済。

だが…最初の振込から1ヵ月が経った頃…そこには新たに10万円の振り込みが!
しかも相手は、またしても全く心当たりのない会社だったのである。

元神奈川県警、小川泰平氏によると…
「これは、誰にでも起こりえる押し貸し詐欺というものです。ある日突然、自分の銀行もしくは郵便局の口座等に見知らぬ者からお金が振り込まれる。そしてその後に、高額な利息と元本の返済を迫られるというものです。」

しかし、そもそも佐藤さんと金融会社は全く接点がなかったはず。
一体どうやって男たちは、彼の口座番号や住所を手に入れたのか?
そこには、多くの人が利用する意外なモノが関係していた。

金融会社の男が、佐藤さんの住所や口座番号を入手した意外な方法、それは…インターネットオークション!
佐藤さんはここに品物を出品していたのだ。
そもそもインターネットオークションは、出品者がサイトに売りたい物を説明文と共に投稿、購入希望者がその内容を見て競り落とす、というもの。
そして、取引が成立すると、お金の振り込み先や送り先の住所等を、ユーザー同士で直接やり取りする。

現在では、トラブルを防ぐため、ユーザー同士で直接振込先などの情報をやり取りせずに済むシステムを導入するオークションサイトも増えている。
しかし、当時はまだその対策が進んでいなかった。

そして、今回の犯人は、このオークションサイトで佐藤さんに目を付け…彼が出品した品物を落札、配送のやり取りをした際に、口座番号や連絡先、住所を入手したと考えられた。
後は、落札したお金を振り込まず、アカウントごと消去すれば、個人情報だけを入手することが出来る。

小川氏によれば、こうしたネットオークションを悪用した押し貸し詐欺の被害者には、ある共通点が存在するという。
「例えば『即決で落札できますよ』ですとか、あとは出品の期間が短い、また落札した後に48時間以内でとか、『2日以内に入金できる方』などの条件をつけていると、被害に合う場合が多いですね。」
こうした条件を書く人は、当座の現金に困っているケースが多く、例え身に覚えのない振込でも、使い込んでしまう事が少なくないという。
そして使ってしまったが最後、金融会社は法外な利息を要求、被害者は後ろめたさから警察にも言えず、見に覚えのない借金を返してしまうケースも多いという。

しかし、先にお金を振り込むのは犯人側。
ターゲットが返さないというリスクは考えないのだろうか?

小川氏はこう語る。
「金融機関や振り込んだ者から『間違って振り込んだんです』という話が来た時、(振り込まれた側が)拒否すると、逆に横領罪などに問われる可能性があるので、振り込んだ方にとっては大きなリスクがある訳ではない。」

このような『押し貸し詐欺』は、ネットオークションが広まり始めた2000年代から急増。
中には数十万円を振り込んでしまった被害者もいるという。

では、実際に押し貸しにあった場合、どうすればいいのか?
そもそも身に覚えのない借金であり、利息の返済義務はない。
佐藤さんも、その後すぐに弁護士に相談。
金融会社と徹底的に戦い、全額返金させることができたという。

さらに被害を未然に防ぐにはどうすべきなのか? 小川氏はこう話してくれた。
「身に覚えのない金額が振り込まれている場合には、その金融機関(銀行など)に申告するのと同時に警察にも相談をする。間違っても『儲かった』と思って簡単には使ってはいけないということが一番大事です。」



『騙されたふり詐欺』
詐欺の手口はどんどん巧妙化ししているなか、警察はあらゆる方法を取って検挙活動に邁進している。
その中の一つとして、『騙されたふり作戦』があるという。
警察が行っている『騙されたふり作戦』とは?
振り込め詐欺などの電話がかかってきた場合に、一般市民が警察に協力、騙されたふりをしながら犯人をおびき出して逮捕するという捜査手法のこと。
現在、全国の警察がこの作戦を導入、年々成果を上げている。

埼玉県で一人暮らしをしている沢口 千恵子(仮名)さん。
夫は、数年前に他界し、息子夫婦は少し離れたところに暮らしていた。

ある日のこと…大学生の孫から電話がかかってきた。
交通事故の示談金、100万円を用立ててほしいというのだ。
沢口さんは、何かあった時のために自宅に現金を保管していた。
示談金の100万円なら用立てできると言うと…弁護士と相談してからまた連絡すると言って電話は切れた。

孫からの突然の連絡に動揺した沢口さんだったが…ふと振り込め詐欺ではないかと思い、念のため孫の携帯番号に電話をかけてみた。
すると…振り込め詐欺の電話だったことが判明。
沢口さんが、被害に遭うことはなかった。

それから、数時間後のこと。
地元の警察署から電話がかかってきた。
沢口さんの住んでいる地域で振り込め詐欺の電話がかかってきたという通報があったため、一人暮らしをしている高齢者に電話して、注意を呼びかけているという。

そこで、沢口さんは孫になりすまして掛かってきた電話の内容を話した。
すると…「次、お孫さんを名乗る犯人から電話がかかってきたら、そのまま騙されたふりをしていただけませんか?」
そう、だまされたふり作戦の依頼だった。
沢口さんは、少しでも高齢者を狙う詐欺が減るならばと、警察の作戦に協力することにした。

それから間も無く、孫を名乗る男から再び電話がかかってきた。
沢口さんは、騙されているふりがばれないように必死に犯人に話を合わせ…電話を切るとすぐに警察に言われた番号に連絡、犯人から金銭の要求があったことを伝えた。

すると、ほどなく警察が到着。
示談金を受け取りに弁護士を名乗る男が来たら、お金を渡してほしいという。
警察は、お金を受け取りに来た男を尾行し、組織の全貌を捜査、詐欺グループのメンバー全員を逮捕するという。

そして、遂に弁護士を名乗る男がやってきた。
沢口さんは、警察の指示通りに、弁護士を名乗る男に100万円を渡した。
果たして警察は無事、犯人を捕まえる事ができるのか?

振り込め詐欺の、被害者を増やしたくないという思いから、騙されたふり作戦に協力した沢口さん。
その後、警察からの連絡がなく、捜査状況が気になった沢口さんは、地元の警察署に連絡してみた。
しかし…なんと、家にやってきた刑事は存在せず、作戦自体も行われていないというのだ。
一体、どういうことなのか?

実は、騙されたふり作戦で、弁護士を名乗る男に渡した現金は沢口さんが用意したものだった。
というのも…沢口さんは、騙されたふり作戦に協力するのはこれが初めて。
自分で現金を用意することに不自然さは感じていなかった。
さらに、警察が家の周辺を張り込みしていたこともあり、すぐに犯人が逮捕され、現金は戻ってくると思っていた。
そのため、言われた通り弁護士に現金を渡してしまったのだ。

しかしこれは、警察の作戦を逆手に取った詐欺。
現在、警察の騙されたふり作戦は一定の成果を挙げている。
だが、一方でこれを悪用した犯人に、現金をだまし取られる被害も相次いでいるという。

警察は実際の作戦で本物の紙幣を使う事は絶対にないと、注意を呼び掛けている。
さらに…通常、この作戦は騙されそうになった人からの相談を受けた警察が、そこで改めて協力を要請するもの。
事前に警察が作戦への協力を求める電話をかけることはないという。



『あなたも狙われている!』
その日、都内に住む堀口慎也さん(仮名)の自宅に、一本の電話がかかってきた。
オリンピック振興会からの電話で、新国立競技場の近隣に住んでいる人に優先して、オリンピックの開会式のチケットを一人10枚まで販売しているというものだった。
チケットの代金は1枚20万円。
あまりに高額だったため、堀口さんがチケットを購入することはなかった。

それから数日後…ある業者から電話がかかってきた。
その業者は、堀口さんが住む地域で、オリンピックの開会式のチケットを優先販売されているという情報を知り、電話をかけてきたのだ。
何と!開会式のチケットを1枚35万円で買い取りたという!

堀口さんが、チケットは断ってしまったと言うと、またオリンッピック振興会から連絡があるかもしれないため、もし購入したら連絡して欲しいという。
堀口さんは買取業者の番号を控え電話を切った。

それから数日後…再びオリンピック振興会から電話がかかってきた。
そこで、開会式のチケットを10枚購入。
そして、20万円のチケット代10枚分、計200万円を指定された口座に振り込んだ。

ところが…4ヶ月経ってもチケットは手元に届かなかった。
しびれをきらした堀口さんは、オリンピック振興会に連絡してみたのだが、電話が繋がらなくなっていた。

堀口さんは、チケットの買取り業者なら何か事情を知っているのではないかと思い、電話をかけたのだが…なんと、チケットの買取り業者も連絡が取れなくなっていた。
そう!チケットを優先販売していると電話をかけてきた人物と、それを高額で買取ると電話してきた業者の人物は、同じ詐欺グループだったのだ!
実は、ここ最近、オリンピックに便乗した詐欺が流行っているという。

最後に小川氏は、こう話してくれた。
「電話でのお金の話、これは全て詐欺と思っていいと思う。私が提唱しているのは4つある。電話がかかってきた時はお金は振り込まない。お金は送らない。お金は渡さない。お金は持っていかない。この4つを守っていただきたいと思います。」


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