15の病気を抱える娘…予測不可能!親子の真実

15の病気を抱える娘…予測不可能!親子の真実


今から15年前の8月、アメリカ南東部を大型ハリケーン『カトリーナ』が襲った。
死者、行方不明者数、2500人以上、アメリカ史上最大級の自然災害。
そんな中、浸水した家屋から奇跡的に救出された親子がいた。
母、ディーディー・ブランチャード(当時38歳)、その娘、ジプシー。


母親ディーディーによれば、ジプシーは生まれつき大きな障害を抱えていたという。
早産で生まれたため、脳の発達に遅れが見られた。
生後3ヶ月になる頃には、睡眠時無呼吸症候群に陥り、救急搬送されることもあったという。
消化器疾患により、口からは直接飲食が出来ず、胃に管を通し、流動食や薬を投与していた。
もともと看護師だった母ディーディーは、医療知識もあり、献身的に娘をサポートし続けた。


しかし、成長するにつれ、ジプシーは…身体の筋肉に異常をきたす筋ジストロフィー、血液のガンとも言われる白血病など、実に15もの病気を抱えるようになったという。
7歳を迎える頃には、自力で歩行するのは困難となり、常に車いすが必要になったという。
ディーディーは、多くの病気と闘うジプシーのために…100件近くもの小児病院を訪ねた。
少しでも異変があれば、夜中でも救急病院へと連れていく。
ディーディーは、常にジプシーを看病し、自らの時間を全て犠牲にしていたという。


ディーディーは、23歳の時に、ロッドという17歳の船乗りと結婚。
だが、ロッドはアルコール依存症で、妊娠しているディーディーに暴力を振るうこともあったという。
彼女はそんな夫から逃げるように、離婚。
そうして生まれたのが、ジプシーだった。


ディーディーは、重い病いを抱える娘を常に看病しなければならず、看護師を続けることができなくなった。
しかも、夫は養育費の支払いを拒否、親子は常に貧しい生活を強いられていたという。
車椅子生活になってからは、学校に通わせるのをやめ、ディーディーが自宅で勉強を教えた。
外に出たら、万が一のことがあるかもしれないと、心配したからだった。


先生の代わりになるだけでなく、薬の副作用で髪の毛が抜ける娘を励ますために、自分自身が丸刈りになることもあった。
そんな二人三脚で病気に立ち向かう親子を襲ったのが…ハリケーン・カトリーナだった。
二人は倒壊した家を捨てて、避難所に逃げ込んだ。
いくつもの重い病いを患う娘を抱え、仕事もなく、住む家さえも失ったティーディー。


ここで親子に大きな転機が訪れる。
避難所で車椅子の娘を心配し続けるティーディーに胸を打たれた新聞記者が、その献身的な姿を報道。
すると、記事を見た人々から『この親子を救ってあげたい』と、次々に支援物資や募金が届けられたのだ。
周囲の人も気にかけてくれるようになった。


その後、ディーディーがホームページを立ち上げると、全米から支援の手が差し伸べられた。
遠くの病院へ行くための送迎費用はもちろん、ディズニーランド旅行のプレゼントも。
さらに、慈善団体から、自然に囲まれたミズーリ州・スプリングフィールドに一戸建ての家まで贈られた。
様々な困難と闘いながら、ようやく幸せな生活を手に入れた親子。
だが…その10年後、思いもよらぬ事態が起きる。


この日、近所からの通報でディーディー親子の住む家に警察がかけつけた。
母親ディーディーが、何者かによって鋭い刃物で腹や背中をめった刺しにされ、殺害されたのだ。
通報は、数日間、親子の姿を見ないことを不審に思った、近所の住民によるもの。
警察が駆けつけた時には、車いすだけが残され、ジプシーの姿はなかった。
自宅の金庫に入っていた4000ドル余りが、財布ごと消えていたことから、警察はすぐさま強盗や誘拐の線で捜査を開始。


するとその翌日…一人の男が拘束された。
男の名はニコラス・ゴドジョン(当時26歳)。
行方不明だったジプシーはニコラスの自宅で無事に保護された。
ディーディーの家からおよそ700キロ離れたニコラスの自宅からは…奪われた財布や、凶器と思われるナイフも発見された。
そして、ニコラスはあっさりとディーディー殺害を認めると…なんとジプシーのために、母親を殺害したと自白したのだ。


ニコラスとジブシーは、インターネットを通じて知り合い、事件当時 交際していたという。
二人はメールのやり取りだけで、いつしか、結婚まで意識するほど、愛し合っていたという。
やがてジプシーは、ニコラスにこんなことを打ち明けた。
「母親が、憎い」
実は…ジプシーは母親から壮絶な虐待を受けていた。
ニコラスはジプシーに頼まれ、殺害を実行したというのだ。


検察は、二人をディーディー殺害の容疑で起訴した。
ジプシーが殺害を依頼した動機は、虐待を受けていたからだけではなかった。
そこには、今まで目には見えなかった真実が大きく関係しているという。
のちの裁判で、その真実をはじめて見た人々は、言葉を失った。
法廷を騒然とさせた真実、それは…彼女は車いすではなく、歩いて法廷に入ってきたのだ!


今回 我々は、事件を詳しく取材したジャーナリスト、パックさんに話を聞くことができた。
「物心ついた頃から、ジプシーは、歩いてはいけないと言われていました。詳しい病名は言われませんでしたが、ずっと車いす生活を強要されていたのです。」
ディーディーは、なぜそこまでして、娘に歩けないフリをさせる必要があったのだろうか?
「歩けないフリをさせたのは、元夫を騙し、彼の気を引くためだということがわかったんです。」


今回、我々はディーディーの元夫であるロッドさんに取材することができた。
ディーディーによれば、夫はアルコール依存症で…幾度となく彼女に暴力を振るっていた。
そのことをロッドさんに尋ねると…
「それは全部デタラメですね。僕は暴力を振るったこともないし、アルコール依存症でもありません。それに養育費も毎月しっかりとディーディーに支払っていました。」


ディーディーは、夫の暴力に耐えきれなくなり、彼から逃げるように離婚したといっていたのだが…本当は、若かったロッドの方が、結婚の重荷に耐えきれなくなり、離婚を切り出したという。
その後、諦めがつかなかった彼女は、少しでも彼の気をひこうと、ジプシーが患っている病気のことを伝えた。
すると…ロッドが治療費を工面してくれたため、連絡の頻度も増えていき、ついには…歩けないと、嘘をついたのだ。


時には直接会うこともあったが、車椅子の娘を見て、ロッドは歩けないことを疑いもしなかった。
そして、その嘘はロッドが再婚し、戻ってこないことがわかってからも、続いていったという。
ジプシーを学校に通わせなかったのは…歩けることが周囲にバレるのを恐れ、目の届く範囲に置いて監視するためだった。


ジプシー自身、歩いてはいけない病気と言われ、幼い頃は従っていた。
しかし、外の世界を知るようになり、少しずつ生活に変化が起き始めたのだ。
中学生になる年の頃から、ジプシーに自我が芽生え始め…そして、歩きたいと思うようになったのだ。
だが、ディーディーに逆らえば、激しく虐待された。


そんな生活が数年続いたある日…耐えられなくなったジプシーは、母親のもとから逃げ出そうとした。
だが、ディーディーに見つかり、激しく叱責された。
こうして、暴力と脅迫によって、ディーディーは娘を精神的に支配していった。


やがてジプシーは、ネットの世界に救いを求め、ニコラスと知り合う事になり…
「もう歩けないフリなんてしたくない…母親が憎い」と、ニコラスに訴えた。
そして、ニコラスによってディーディーは殺害された。


仲睦まじい親子の姿は、嘘だった。
ディーディーはマスコミの取材を受ける時、いつもジプシーの手を握っていた。
普通なら仲の良い親子に見えるかもしれない。
しかし、実はこの時、ディーディーは握りの強さによって、ジプシーをコントロールしていた。
『余計なこと言うんじゃない!』、ジプシーが何かアクションを起こそうとすると、痛いほど強く握り締めてきたという。
娘による悲しい復讐劇…しかし、それがこの事件の全てではない!
もうひとつ、目には見えていない衝撃の真実にあなたは気づいているだろうか!?


ジプシーは歩けはしたが、体調は日々悪化していた。
そのため、何度も手術を受け、闘病に励んだ。
病状を抑えるため、毎日15種類以上の薬を服用。
その副作用により、歯はボロボロになり、差し歯が必要になった。


だが…なんと彼女の病気も全て嘘だったのだ!!
その事実をジプシーは、裁判の段階ではじめて知った。
ディーディーによって、飲む必要のない薬を毎日15種類以上…時には 寝ている間に、勝手に投与されていたのだ。


ジャーナリスト、パックさんによると…
「ジプシーの体調不良は、本来必要のない薬の副作用によるものでした。ディーディーは、出産直後から元夫の気を引こうと、娘を病気に仕立て上げたんです。その後、もっとお金を要求するため、さらには 世間からの注目を浴びるために嘘がエスカレートしていったんです。」


そう、ディーディーが大量の薬を服用させなければ、ジプシーは健康そのものだったのだ。
「ディーディーは元看護師で、どんな病状や病名を言えば医者を騙せるか、わかっていました。それでも途中で疑問に思った医師もいました。けれどディーディーは医師に気づかれそうになると…すぐに病院を替えていたんです。」


事件からおよそ1年後、ジプシーの裁判が行われた。
裁判でニコラスがお金を盗んだのは、700キロ先の自宅までの逃走費用だと語られた。
殺人を依頼したジプシーには、情状酌量の余地があるとして、懲役10年。
殺人を実行したニコラスには、ジプシーよりも重い判決が言い渡された。
彼は控訴し、今も係争中である。


現在、服役中のジプシー。父・ロッドさんは、これまでディーディーの嘘に騙され続けてきたことを悔い、ジプシーの支えになろうとしている。
ロッドさんはこう話してくれた。
「私は父親として頼れる存在であるべきでした。ジプシーのそばにいてあげられなかったことを後悔しています。これからは、彼女をサポートしていくつもりです。刑務所での生活は、今までのものよりも、彼女にとっては安心できるものなのかもしれません。彼女は犯した罪と獄中で向き合いながらも、母親によって奪われた人生を取りもどそうとしているんです。」


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