謎が謎を呼ぶ!ミステリー3時間SP

謎が謎を呼ぶ!ミステリー3時間SP


ミステリー映像


『空中で止まる謎の白い鳥』
昨年、南米コロンビアのトゥルアで、世にも奇妙な映像が撮影された。
空中に浮かぶ白い物体。
よく見ると白い鳥が空中で止まっている。
本物の鳥のようだが、羽ばたきはしない!
まるで鳥の周りだけ、時間が止まっているかのよう!
空中で止まる謎の白い鳥、このミステリーの真相は?


この後、駆けつけた消防士により、白い鳥は捕獲された。
その直後の映像が残されている。
消防士に抱えられた白い鳥、もう一人の消防士の手にはハサミ。
そして、何かを切っている。
消防士「白い鳥は椰子の木と電波塔の間にあった凧糸に絡まっていたんです」


コロンビアでは、夏になると風が強く吹くことから、多くの人が凧揚げを楽しみ、その様子は夏の風物詩となっている。
そんな中、何かの拍子で風に飛ばされてしまった凧が椰子の木にひっかかり、凧から伸びた糸が 電波塔に絡まった。
鳥が見えないほど細い糸だったため、気づかずに翼が絡まってしまったのだ。
救助された鳥は、その後 元気に飛び去っていった。


『空中で静止する飛行機』
アメリカ、ダラス・フォートワース国際空港、この空港近くの道路でミステリアスな映像が撮影された。
走行中の車から見えたのは、空中で静止する飛行機!?
このミステリーの真相は?


問題の映像をある分野の専門家に見てもらった。
すると、飛行機が空中で止まって見える原因、それは…錯視、目の錯覚だという。
もし 飛行機と車が平行に動いていたら、車から見える飛行機の位置は大きく変わっていたはず。
しかし、今回は道がカーブしていたため、車の進行方向に対し、飛行機の位置は常に同じような角度を保っていた。
さらに、雲が少なく、飛行機の動きを感じられる対象物がなかったため、脳は飛行機が止まっていると錯覚するのだ。


『天井に現れたものの正体とは?』
天井に人の後頭部のようなものが!
まるで生首が張り付いているようだ。
2ヶ月前に中国の一軒家で撮影されたホラー映画のワンシーンのようなこの映像。
果たして、天井に現れたものの正体とは?


生首のように見えるもの、これは正真正銘の人間の頭。
人間の頭が天井にある理由は、真上の階にあった。
そこには、うずくまる少女と心配する母親のような人物が!!
もともと換気扇を設置するため、直径およそ20pの穴をあけていたのだが…この家に住む4歳の少女が好奇心から頭を入れてみたところ、抜けなくなってしまったのだ。
20分後、通報を受けた消防隊が駆けつけ、救助を開始。
穴と頭の間に油をいれ、開始から40分後には無事 救出!


『夜空に輝く光の柱』
青森県でふたご座流星群を撮影したタイムラプス映像。
空の下の方にご注目いただきたい…複数の光の柱が、上空に浮かび上がった。
流れ星とともに、この世のものとは思えない幻想的な世界を作り出している。
実は、この光の柱は、日本各地で目撃されており、そのたびに映画やアニメのようだと話題に。
夜空に輝く謎の光る柱、このミステリーの真相は?


この光の発生源で一番多いのが、漁師が夜に魚を誘うために船で焚く漁火(いさりび)。
光の柱が出現したとき、空には雲がかかっている。
この雲の中に六角板や六角柱の氷の結晶が多く含まれていると…漁火から発せられた光が結晶で反射。
陸地から見ると光源から屈折した位置、空中に光の柱が浮かび上がっているように見えるのだ。
この現象は、漁火光柱などと呼ばれる。
晴れた無風の日で、かすみがかった雲があるなど、多くの条件が必要なため、なかなか撮影できない。
幻想的かつ貴重な映像だった。


『何もない道路でなぜ横転?』
高速道路を走行中、前を走る車が車線変更しようとした、その瞬間。
突然、車が横転!
何もない道路でなぜ車は横転したのか?
このミステリーの真相は?


映像をよーく見てみると、車が横転した直後、何かが飛んでいる。
実は、これマンホールのフタ。
点検後、フタがキチンと閉められていなかったため、その上を車が通った時、前輪でフタがズレ、その後 後輪が穴にハマり跳ねてしまったのだ。
幸い、運転手は軽い怪我をしただけで済んだという。


『ひとりでに動く石』
アメリカ カルフォルニア州のデスバレー国立公園。
この地には長い間解明できなかった、あるミステリーが存在する。
それが、こちらの石。
よく見てみると、なにやら引き摺られた様な跡がある。
石の周囲に足跡などはなく、決して誰かが動かしたわけではない。


同様の石は、干上がった大地に 大小さまざま点在している。
大きいものだと重さは数百キロ、風で飛ばされることは考えづらい。
そう、石がひとりでに動いているというのだ。
長年、多くの研究者が調査を行うも、誰一人その謎を解き明かすことはできなかった。
しかし、今から8年前、スクリップス海洋研究所のチームがついに石が動く姿を映像でとらえることに成功!
このミステリーの真相は?


今回、動く様子を撮影した張本人のノリスさんとのコンタクトに成功。
真相を伺うと…「石を動かしていたのは氷だったんです」
雨や雪が続くと大きな水溜りができる。
この土地は寒暖差が激しく夜になると氷点下になることもあり、一晩で水は氷となる。
朝になると気温は上がり、今度は氷が溶け始め、表面が割れていく。
そして、強い風がふくと氷の破片が移動、石に何度もぶつかり、ついには石を動かす。
その後、氷が解け、移動した跡だけが残るため、まるで独りでに動いたかのように見えたのだ。
ノリスさんはこう話してくれた。
「こういった自然現象が偶然重なり、その全てが作用し石は動いていたのです。水たまりができるほどの雨や雪は、10年に1度くらいしか降りません。そのため長年石が動くことをとらえることもできず、謎が解明されなかったのです。」


『ひとりでに歩く建物』
中国・重慶で、驚くべき映像が撮影された。
なんと巨大な建物が動いている。
何かで引っ張っている様子はなく、建物自身がまるで生き物の如く歩いている様に見える。
なぜ動くのか? その真相は?


建物を近くで見てみると…下に何かがついている。
実はこれ、コンピューターで制御されたロボットの足。
およそ7600トンの建物が198個の足で文字通り歩いていたのだ!


この建物は、今から86年前に作られた歴史的価値の高い小学校。
しかし、周辺の開発のためおよそ60メートル先に移動させなくてはならなくなった。
解体し、再び組み直すような予算的余裕もない。
そこで、基礎と建物を一旦切り離し、新たに作った基礎の上まで移動、建物と接合させる方法がとられた。
この方法で動かせるのは1日約3.5m。
移動に18日を要したが、費用は 組み直すより遥かに少ない3億数千万円で済んだという!


『ひとりでに動いたバイク』
今年9月、深夜の監視カメラがとんでもない映像を捉えた。
サイドカー付きのバイクが前方に止まる車をかわし、どこかへ向かうように車道を左折。
まるで幽霊が運転しているかのように無人のバイクが突然動き出したのだ。
これはCGでもフェイク動画でもない。
しかもこの場所は坂道になっているわけでもないという!
バイクは翌朝、約15メートル先の柱にぶつかった状態で発見された。
このミステリーの真相は?


バイクの持ち主によると…
「実は、前日に洗車してバイクを拭き忘れてしまったんです。それで、水滴でショートが起こりエンジンがかかってしまったんです。」
ショートとは、電気回路に異常が起こり、電流が決められた道筋を通らずに近道してしまう現象。
大量の電流がながれると、火事の原因となることもある。
このバイクの場合、水滴がエンジン始動のスイッチとなる回路に入り込んだ。
本来は繋がっていない回路が、水を通して繋がったことでスイッチがオンの状態に!
停車時、ハンドルが右に切られていたため、車を避けることができ、さらに 段差をおりた衝撃で偶然 左に切られたため、うまく車道に出たように見えたのだ。
奇跡的な偶然が重なって起きたミステリアスな現象だった。


『鏡をすり抜ける空き缶』
机の上に置かれた鏡と空き缶。
あなたはこの後、ミステリアスな光景を目にします。
鏡をスライドさせると…空き缶を鏡の中に投げ入れた!
なんで?? みなさんはわかりましたか?


動画の続きを見るとわかります。
そう、鏡のように見えていたのは、ただの穴とその周りの木の枠。
枠を取り付け壁に見立てたボール紙ごとスライドさせ、不思議な現象のように見せていたのです。


『燃える水』
フィリピンのミンダナオ島で、突如、ミステリアスな出来事が起こった。
井戸から汲み上げた水が燃えている!!


このミステリーの真相は…天然ガス。
実は、このミンダナオ島では、およそ20年前に莫大な量の天然ガスが地下に埋蔵されていることが判明。
石油なども合わせ、島の天然資源の価値は100兆円にのぼるという。
この影響で、地下水には多くのメタンガスが含まれている。
井戸から汲み上げられると水の中に溶けていたメタンガスが気化、無臭のため気づかず、火種を近づけてしまい発火したのだ。
自動汲み上げポンプを外し、水を止め、無事に火は消えたという。


『岸に押し寄せる無数の雪玉』
アメリカミシガン湖の沿岸にあるものが大量におしよせてきた。
それは…いくつもの雪玉。
大きいもので数十センチもあるこの雪玉。
もちろん、誰かが雪合戦をするために作ったわけでは無い。
このミステリーの真相は?


雪玉ができるのは、いくつかの条件が重なってのこと。
気温が低くなると、湖面が凍り始める。
その時、強風が吹くと、波が高くなり、氷が割れていくつもの塊が出来上がる。
大きさは氷の厚さによって変わるが、この塊が互いにぶつかり合い球状に。
さらに強風とともに雪が降ると、氷が転がりながら雪をまとい大きくなっていき、無数の雪玉が出来上がるのだ。
海水は塩分を含むため凍りにくく、また凍っても脆いため、海ではこの現象は起きにくいという。
湖でも、さまざまな条件が重ならなければ起こらない。
しかし、日本でも福島県の猪苗代湖など一部ではこの現象を見ることができる。


『山にわけいる男性?』
雪山で撮影された1枚の写真。
実は、この写真の中に人物はひとりも映っていないんです。
では、一体、何が写っているのでしょうか?


この人に見える部分を拡大してみると…お気づきですか?
そう、これは犬。
黒いプードルの写真だったんです。
飼い主に呼ばれ、こっちへ向かってくる姿が偶然にも山にわけいる人のように見えていたんです!
わかりやすく比較すると…尻尾や足が絶妙な位置にあります!
まさに 奇跡の一瞬でした!


『奇跡の力を持つ村人』
インドのある村が、奇跡の村として話題に。
その理由は…ここの村人は肌に当てただけで、電球を光らせることができるというのだ!
今から2年前、ある村人が電球を持ち帰ったところ、子供たちが遊び出し、この奇妙な現象が起こったという。
その後、他の村人たちも電球を光らせることに成功。
多くのメディアで報じられ「奇跡の村」とまで言われた。


奇跡の村で使われているものと同じタイプの電球を入手。
奇跡の力を持つと言われた村人たち、その真相とは?
実はこれ、充電式のLED電球。
電池が内蔵されていて電極部分を押すと光る仕組み。
非常時には懐中電灯代わりにも使える電球として販売されている。
村人はそのことを知らずに、この電球を購入。
そのため、奇跡が起こったと勘違いしてしまったのだ。
その上メディアもそれに気づかず報道。
その後、真相は明らかになったが、村人たちはまだ気づいていないという。


『海底に沈む謎の物体』
イタリア、トスカーナ州・タラモーネ。
この付近の海の中には…謎の石柱!
海底に眠る謎の遺跡か?
しかし、よく見ると、少し新しさを感じるものもある…海底に沈む謎の物体の正体は?


今回、この謎について詳しい人物に話を聞くことができた。
それがこちらのパオロさん。
普段は漁師をしているというのだが…「あれを沈めたのは僕なんです。自然を守るために沈めたオブジェです。」
実は、この海にはポシドニアという海藻が巨大な海底草原を作り出している。
ポシドニアに身を隠す魚たちも多く、良質な生態系を形成している。
そのため、政府により底引網での漁は禁止されているが、近年、底引網で漁を行う違法漁師が増加。
海藻を傷つけ、生態系を荒らしていた。


そこで、パオロさんがとった行動が、オブジェを海に沈めることだった。
パオロ「オブジェを置くことで、物理的に網を引けなくして、底引網を防止することができるんです。また、オブジェが魚たちの隠れ家にもなり、生態系が回復する。さらに アート性のあるオブジェを沈めることで、ダイビングスポットとして人気が出れば、より 違法な漁もしにくくなるだろうと思いました。」


パオロさんは、特に被害が多いスポットにオブジェを沈めることを決めた。
各スポットで網をかけにくいようにオブジェの間隔を調整し、位置を決めていったという。
その後、活動に賛同し協力してくれる人を募ると、パオロさんの志に共感したアーティストが、沈めるためだけのオブジェを製作。
今から6年前、最初のオブジェを海にしずめた。
活動に賛同するアーティストも増え、現在では39個のオブジェがこの海に沈められている。
この海中の美術館は、目論見通りダイビングスポットとして注目され、多くの人々に親しまれる一方、一部ではあるが生態系の回復に貢献!
海底に沈む謎の物体のミステリーは、故郷の海を愛する男の想いから生まれていた。


止まらない暴走列車 一体なぜ?


ヨーロッパ有数の鉄道網を誇る、フランス・パリ。
その安全性は世界上位のはずだった。
未曾有の大事故は、なぜ起きたのか?
フランス鉄道史上最大のミステリー! その真相に迫る!


今から33年前、フランス・パリでは、毎日数十万人が鉄道や地下鉄を利用。
多数の列車が常に行き交っていた。
6月27日、午後5時38分。
フランス国鉄の8両編成の列車が、始発のムラン駅から、約50キロ先にある終点のリヨン駅に向け、出発した。
運転をしていたのは、ベテランのダニエル。
車掌は、同じく経験豊富なジャンが務めていた。


ダニエルがブレーキを掛けていないにも関わらず、通過予定だったヴェール・ド・メゾン駅で突如停車。
この列車には各車両に、緊急事態が起きた際に乗客が列車を止められる、非常ブレーキがあった。
それを2両目に乗る女性が引いて、そのまま列車から降りていったという。


非常ブレーキを解除し、26分遅れで運行を再開。
その事をダニエルは、終着駅リヨン駅にある管制室に連絡。
フランスでは、大幅な遅延が発生した場合、停車駅を変更する事がある。
管制室は、本来は停車予定であったリヨン駅の一つ手前の駅を通過し、そのままリヨン駅に向かうよう、ダニエルに指示。
リヨン駅の一番端のホームに到着する手はずとなった。


だが同じ頃、そのホームでは、別のトラブルが起きていた。
その時間には出発しているはずの列車が、時間を過ぎても停車していたのだ。
日本とは違い、ヨーロッパの列車は様々な理由で、10分程度遅れて出発する事は日常茶飯事。
この日の遅延理由は、車掌の遅刻であった。
その間にも乗客がどんどん乗り込み、普段より混雑していた。
運転士のタンギーも、どうする事も出来ず、車掌の到着を待つだけだった。


一方、ダニエルは、遅れを取り戻そうと、時速およそ90キロで走行。
リヨン駅のホームは、カーブを曲がった先にある。
かつ、地下に位置しており、傾斜を下って進入する構造だ。
傾斜に差し掛かる前には、信号機でブレーキ指示が出るシステムになっていた。


午後7時7分、リヨン駅到着まであとおよそ2分。
信号機を見て、ダニエルもブレーキを掛けた。
だが、先頭車両以外のブレーキがかからなかった!
列車のブレーキは全ての車両についており、その全体の制動力で停止できる計算になっている。
先頭車両だけの制動力では、徐々にスピードを緩めることはできても、停止するまでにかなりの時間を要する。
多少スピードが落ちるとしても、この時点でリヨン駅まであと1分45秒!


ダニエルは、管制室にブレーキが効かないことを報告!
運転席から飛び出し、乗客を最後方の車両に移動させた。
移動しながら、各車両の非常ブレーキも試したが、作動しなかったという。
後方車両に到着したダニエルらは、体をかがめて衝撃に備えた。


ブレーキが効かない判明してから、2分足らず。
終着駅に突っ込んだ列車は、停車していた列車と正面衝突。
カーブの先にあるホームから、暴走列車の姿は直前まで見えなかった。
気づいた時には、列車は目前に迫っており、そのまま 時速 約50キロ?60キロで衝突。
車体の上に乗り上げ、先頭車両を押し潰した。


暴走した列車の乗客に重傷者はいなかった。
停車していた列車では100名以上が逃げ遅れ、56名が犠牲となった。
その中には、最後まで避難誘導のアナウンスをし続けたタンギーも。
このフランス史上、最悪の鉄道事故は大きなニュースとなり、その原因究明が急がれた。
なぜ、先頭車両以外のブレーキが利かなくなったのか?
なぜ、停車中の列車の避難アナウンスは、衝突寸前になったのか?
フランス国鉄は、様々な安全システムを導入していたにも関わらず、なぜそれが機能せず、正面衝突を引き起こす事態となったのか?


この事故の調査チームの一人が、当時、交通研究所の所長を務めていた、パスカル。
彼らはまず、暴走した列車のブレーキ装置に関して調査を始めた。
すると…空気管のコックがしまっていることが判明。
当時の列車のブレーキは、事故を起こした車両をはじめ、多くが空気の力を利用している。
空気を送ることで、ブレーキに力を加えるというイメージを持つ人も多いだろうが、そうではない。
逆に、空気を抜くことでブレーキを利かせているのだ。


簡略化して説明すると、ブレーキをかけていない通常の走行時の際は、1両目にある「空気圧縮機」から各車両に管を通じて圧縮空気が送られ続けている。
空気管やそこに繋がるタンクなどは、圧縮空気で満たされた状態になっているのだ。
タンク内には弁があり、これが横に動くと タンクより下にあるブレーキシリンダー部分に圧縮空気が流れる仕組みだ。
この弁を動かすために「空気を抜く」ことが必要となる。
ブレーキレバーを操作し 空気を抜くことで気圧が下がる。
この時、左右に気圧の差を生じることで高い方から低い方へ弁が動くのだ。
そして、ストッパーで弁が止まると、その先の部分は密閉された空間となる。
その空間の中で、やや膨らんだ圧縮空気が流れ込み、シリンダーを押すことでブレーキがかかるというわけだ。


そして、各車両の連結部分の空気管には、コックが付いており、これが開いていれば、空気の調整が全車両に行き渡る。
しかし、暴走した列車は1両目と2両目の間の、コックが閉まっていたため、後方7両は空気の力による操作がきかず、ブレーキが働かない状態になっていたと考えられた。


空気管のコックが勝手に閉まる事はない…誰かが意図的に閉めたことになる。
実は当時、フランス国内の列車は、アラブ系武装グループによるテロの標的となっていた。
つまり、何者かが意図的に空気管のコックを閉めたテロ行為の可能性が高いと考えられた。


調査チームはまず、暴走した列車を運転していたダニエルに話を聞く事に。
ヴェール・ド・メゾン駅で、2両目に乗っていた女性が客席の非常ブレーキを引いて緊急停止した。
そして、そこを出発してからブレーキが効かなくなったと証言した。


この事実を聞いた調査チームは、その女性が事故に大きく関わっているのではないかと推測した。
さらに、マスコミもその女性が鍵を握っていると踏み、情報提供を求める記事を掲載。
すると…その女性が自ら名乗り出たのだ。
女性は、列車を緊急停止させた理由をこう話した。
「いつも停車するはずの駅を通り過ぎて行くのを見て、ヴェール・ド・メゾン駅も停車しないかもと思ったんです。」


実は、フランスの鉄道は毎年6月頃に、春季から夏季ダイヤになり、時刻や行き先などが大幅に変更される。
そのため、事故が起きた6月下旬は、乗り間違えが後を絶たない状況であった。
そしてこの女性も、目的地の駅に停車しない列車に間違って乗ってしまったのだ。
実は、ダイヤ変更により、乗り間違える客が多かったため、彼女のように列車を止める行為が稀に発生していた。
しかし、その後の調べでも、この女性が空気管のコックに触れた形跡は見られなかった。


緊急停止してから運行再開まで26分…その間に何者かがコックを閉めたことには間違いない。
事故調査チームは再び、ダニエルを呼び出し、緊急停止してからの行動を詳しく聞いた。
列車が緊急停止した後…非常ブレーキを解除するためのレバーは、各車両の連結部分にあり、ダニエルは1両目と2両目の連結部分に向かった。
解除レバーがなかなか下がらず…力を入れるため、レバーを持たないもう片方の手で何かを掴んだと言う。
それが、ブレーキにつながる空気感のコックだったのだ!


実は、非常ブレーキを解除するレバーのすぐ下に空気管のコックがあった。
非常ブレーキは、運転席のブレーキと同じ空気管に繋がっており、乗客がハンドルを引くと、非常用の弁から空気が抜け、ブレーキがかかる仕組みだった。
解除するためには弁を閉めなくてはならず、そのレバーは各車両の間に設置されていた。
そして、ダニエルは解除のレバーを下げようとした際に、無意識のうちに空気管のコックを掴み、力んだ事によって閉めてしまったと考えられたのだ。


ダニエルはブレーキが解除されたと思い、運転席に戻ったのだが、まだブレーキがかかったままだったと言う。
非常ブレーキの解除はしたが、空気管のコックが閉まっていたため、圧縮空気が各車両に送り込まれることはなく、ブレーキはかかったままの状態になっていたのだ。
異常が起きた際はエンジニアに連絡をするのが規則だったのだが…乗客を待たせていることに焦っていたダニエルは、エンジニアに連絡せず、自分で対処することにした。
タンクに必要以上に空気が詰まっていると考え、全車両の空気を抜くことにしたのだ。


こうして、ブレーキは解除されたが、1両目と2両目の間のコックが閉まっているため、新たに空気を送り込むことはできない。
ブレーキはかからなくなったのは、これが原因だった。
非常ブレーキも同じ空気管を介しているため、避難中に引いても利くことはなかったのだ。
重なってしまった2つの不幸。
だがこの事故の不幸はそれだけではない!


途中駅を通過するよう指示した、リヨン駅管制室の責任者。
彼らがもし通過の指示をしなければ、リヨン駅のかなり手前で、ブレーキの異常に気づき、対応を考える時間があったはずだった。
これが、3つ目の不幸。


事故発生時、フランス国鉄の列車は数多く走行中であった。
ダニエルがパニック状態に陥り、名乗り忘れたため、どの列車なのかすぐに特定出来なかった。
これが、4つ目の不幸。


それでも管制室は、なんとか列車を特定しようと尽力していた。
その時、リヨン駅に向かっている列車は、4本。
最悪でもそのうち3本に連絡が付けば、特定できると思ったのだが…
ダニエルが緊急ボタンを押したため、上下線すべてを走行中の全列車にアラーム音が鳴り響いていた。
アラームが鳴った事で、他の列車の運転士から、問い合わせが殺到。
リヨン駅に向かう列車に連絡をとるという特定作業が全くできなくなってしまったのだ。
これが5つ目の不幸。


また、車掌が遅刻したため、リヨン駅の列車が出発出来なかった事が、6つ目の不幸だった。
しかし、この段階でもまだ、正面衝突を回避する事は可能であった。
あろうことか そこにもさらなる不幸が!


通常、入る予定のホームに他の列車が停車していた場合、自動的にレールのポイントが切り替わり、空いているホームに誘導する自動制御システムが働く。
これにより、暴走列車は空いているホームの壁に衝突するだけで、犠牲者は出ないはずだった。
しかし、ダニエルが緊急ボタンを押した直後、レールのポイント切替えを担当する転轍手のもとでもアラームが鳴った。
管制室からの連絡はなかったが、彼は規則に従って、運行管理システムを非常用に切り替えた。
だが実は、非常用に切り替えると、自動制御システムが解除され、尚且つ、転轍手が遠隔でレールのポイントを変える事が出来なくなってしまうのだ。
これが、7つ目の不幸であった。


すなわち、ポイントは予定通り、一番端のホームに向かうままになっており、管制室と転轍手が暴走しているのがダニエルの列車だと認識したのは、カーブを通過し、傾斜を下った時点。
カーブの先にあるホームからは、直前まで暴走列車が見えなかった。
もし線路が直線であれば、もう少し早く認識し、避難誘導を行うことができたかもしれない。


また、のちの調査では、1両目のブレーキによって一度は時速45キロまで下がったスピードが、最後の傾斜によって再び時速約50キロ?60キロまで上昇してしまったことが判明している。
カーブと傾斜という構造こそが、最後の不幸だった。
気づいたときには、すでに遅く…大惨事は起きてしまった。


事故後、運転士のダニエル、管制室の責任者、そして、緊急停止させた女性が裁判で刑事責任を問われる事に。
女性は、私情により非常ブレーキを引く事は、法律違反行為に当たるとして、罰金を課せられたが…その行為自体が直接的な事故原因でない事、さらに、大幅なダイヤ変更が原因で、同様の行為がほかにも発生していた事もあり、無罪となった。
管制室の責任者は、規則通りの行動をとったのみであったため、無罪。


運転士のダニエルは、ブレーキ装置を誤って動かした事が衝突の大きな原因と判断され、過失致死罪で有罪となった。
だが、判決が下ったのは事故から約5年後。
それからまもなく、彼はガンにより、この世を去った。


最後まで停車中の列車に残り、避難を叫び続けたタンギーは、犠牲者を減らした英雄として、その最期が賞賛された。


事故後、フランス国鉄は空気管のコックの位置の変更。
自動制御システムの見直しなどを行い、安全策を強化。
日本の鉄道では考え難い、車掌の遅刻や自己中心的な理由による非常ブレーキの使用。
さらに、報告を怠って自分で対処しようとした行為など、慣れや気の緩みといった、ちょっとした『油断』が思いもよらぬ大惨事に繋がってしまった。
現在、事故が起きたホームには、犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑が建っている。
二度と同じ悲劇を繰り返さないように。