丹波ワインが廃棄肉を提供…「ワインに賞味期限はない」と呆れた言い訳
ワインの製造や飲食店を経営する「丹波ワイン」が、2013年11月に、食品衛生法違反で自主回収したローストビーフを、レストランで客に提供していたことが発覚した。
3年前、「丹波ワイン」(京都府京丹波町)は、結着剤を使用した「結着肉」を原料にしたローストビーフを販売した。
しかし、食品衛生法では「結着肉」は、内部がレアの状態で食するローストビーフに使用することは禁じられている。
保健所から指摘を受けた丹波ワインは、廃棄することを約束し、このローストビーフを自主回収した。
しかし、実際に廃棄処分されたのはこのうちわずか1割で、残りの“違法ローストビーフ”は、なぜか冷凍庫に保管されていたという。
そして、この廃棄予定だったローストビーフは、レストランやイベント会場などで「牛肉の赤ワイン煮」や「牛ロースト丼」などに“再利用”され、客に提供されていたのだ。
きのう、丹波ワインの黒井衛社長はFNNの取材に対し、当初「同じ時期に製造し、冷凍庫に保管していたローストビーフと廃棄肉を間違えた」と釈明した。
しかし、さらに話を聞いて行くと、徐々に説明に食い違いが出てきた。
社長「ローストビーフとして出すのはダメだが加熱すれば提供できる」
去年4月に行われたイベントで、問題のローストビーフを加熱調理し、「牛ロースト丼」として客に出した、というのだ。
そこで、従業員に話を聞いてみると、「加熱はせずにそのまま出した」という証言が返ってきた。
2013年11月に廃棄するため自主回収したローストビーフの賞味期限は6か月。
しかし、レストランやイベントで“再利用”されたのは、2014年4月から去年4月。
冷凍されていたとはいえ、長いものでは1年以上も賞味期限を過ぎていたのだ。
廃棄するはずの“違法なローストビーフ”を、賞味期限が切れてから客に提供。
言い訳のしようがないほどずさんな管理体制だが、社長の口からはさらに驚きの言葉が…
ワインと肉では全然話が違うではないか。
現時点では健康被害などは報告されていないということだが、専門家によると、結着剤を使った肉を十分加熱せずに食べると、食中毒や健康被害を起こす可能性があるという。
産婦人科医でコメンテーターの宋美玄さんはこう警鐘を鳴らした。
宋「生肉に対する危機感が世間的にも無さすぎる。これを機に考えてほしい。