知れば知るほど怖くなる…行列ができる話題の「怖い絵展」をのぞき見!
上野の森美術館で今月7日から始まった「怖い絵展」。
これはベストセラーになっている本「怖い絵」のシリーズを書いた著者、中野京子さんが監修を務めている美術展で、「恐怖」をテーマに約80点が展示されている。
なぜ「怖い絵」がこれほど人を引き付けているのだろうか?
荘口リポーターが、会場と「怖い絵」に秘められた物語をのぞき見した!
こちらは縦2.5m×横3mのキャンバスに描かれた「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。
目隠しされた少女を囲むように悲しんでいる人や斧を持った男性の姿が描かれている。パッと見ただけでは、分からないこの絵に隠された怖さとはいったい何なのだろうか。
それを解説してくれるのが、音声ガイド。実はこの展示会では、女優の吉田羊さんが画の解説ナレーションをしていて、ほとんどの人が聞いているのだ(※利用料は550円)。
一体何を話しているのか聞いてみると…
吉田羊「動揺することなく運命を受け入れ、死につこうとする少女。“首置き台”を探す手に光る真新しい結婚指輪も痛々しい…」
この少女は、イギリスの初代女王になったジェーン・グレイ。しかし、激しい政争に巻き込まれ、わずか9日間で地位を追われたのちに反逆罪で捕らえられ、16歳で処刑されることになったのだ。
少女の目の前には、これから斧が振り下ろされる首置き台。
その下には流れた血を吸うためのワラが敷かれている。
右側の男は巨大な斧を振るう執行人で、失敗したときに使うナイフを腰に携えている。
荘口リポーターは、絵の背景を知ることで怖さが湧き上がってくるという。
荘口「薬指に指輪をしたその左手で、斧が振り下ろされるであろう台を探しているという…。いや〜なんか、ぞわっとしましたね」
来場者から「怖い」という声が多かったのが、19世紀半ばのフランスで描かれた「不幸な家族」という絵。
寄り添う母と娘の光景は一見穏やかにも見えるが、実は手前にある練炭のようなもので心中しようとしている場面なのだ。
この絵が描かれた当時は、貧富の差がとても大きくなり、貧しい労働者の自殺の多さが社会問題になっていたという。
特に女性が怖がっていたのが、ギリシア神話の一幕を描いた「オデュッセウスに杯を差し出すキルケ―」。
美女が、鏡に映った英雄オデュッセウスに酒を勧めている場面だが、いったい何が怖いのか分かるだろうか?
ここで再び吉田羊さんの音声ガイドを聞いてみよう。
吉田羊「キルケ―は、魔法のワインで男たちを豚に変えていた。足元と、画面左奥、椅子の後ろにいる豚が、オデュッセウスの部下である」
美女の正体は近づく男を動物に変えてしまう恐るべき魔女だったのだ。
女性の来場者にインタビューすると、みな口をそろえて「きれいで恐ろしくてギャップが怖い」と感想を述べた。
「怖い絵展」は、時代背景や物語を知るほど深い意味が見えてくる…そんな美術展の新しい体験が多くの人を惹きつけているのかもしれない。
とても興味深い「怖い絵展」のVTRのあと、スタジオでさらに怖いコメントをしたのは、コメンテーターの中江さんだった。
中江「怖い絵の本は何冊か持っているので、もともと興味があるんですけど実際に絵を見る機会ってないんですよね。いつもは音声ガイドを使わないんですけど、これは聞いてみたいなと思いました」
小倉「中江さんは、一人で明かりをポッと照らして「怖い絵」の本を読んでるんですか?その行動自体も相当恐いですよ」
海老原「その絵が怖い」
「怖い絵展」は好評につき、閉館時間を土曜日は午後8時、日曜日は午後6時まで
延長し、12月17日まで上野の森美術館で開催しています。
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