日本の料理学校に「留学する外国人」が増加する理由とは?

日本の料理学校に「留学する外国人」が増加する理由とは?

2017年11月21日 (火)
公式ツイッター @web_tokudane



今、日本の調理師専門学校に入学する外国人留学生の数が大幅に増えている。
ロシアから来た25歳のフョードルさんは、「東京すし和食調理専門学校」で和食を学んでいた。



去年開校したこちらの学校では実に生徒の4割が外国人留学生だという。
いったいなぜ、海を渡ってまで和食を勉強しに来るのか?
その理由を“のぞき見”すると、意外な海外の和食事情が見えてきた。



モスクワで歯科医を経営しているフョードルさんのお父さんは、初めは和食を学ぶための留学に反対していた。
それでもフョードルさんが日本に来た理由は、いつか故郷ロシアで和食のお店を開きたいからだという。



実は今、世界的な和食ブームの影響もあって、海外の日本食レストランは10年前の約5倍に増加。
和食の料理人が不足しているので、和食の本場・日本で技術を身につけることによって、その後いい条件で仕事のオファーを得ることができるのだ。


専門学校では、調理実習の他にも日本だからこそできる特別な授業がある。





7年連続ミシュランで3ツ星を獲得した超名店「銀座 小十」で、超一流の料理人から和食の技術を学ぶことができたり、



生徒「思いやり。優しさ。気配り。目配り。心配り。」
先生「いいですか、これをいつも心がけましょう」


技術だけでなく、和食には欠かせない「おもてなしの心」や作法も学ぶことができる。




大阪にある「辻調理師専門学校」でも留学生が増えていて、今年度は過去最多の130人が料理の技を磨いていた。
韓国から来たキム・カンミンさん(20)は、初めてかっぽう料理店に行った時から和食のとりこになり、高校生のときに来日。
日本語を学んで去年入学したという。



この日の授業は、お客さんに出すことを想定した懐石料理の実習。
リーダーを任されたキムさんの腕前は…



だしをとる姿も、もうすっかり料理人の風格が漂う。
この日は、煮物用、天ぷら用、炊き込みご飯用と何種類ものだしを用意し、すべての料理を慎重に仕上げていく。
この日、キムさんが作るのは、くず粉を使った野菜と合鴨の煮物と鯛のお造り、秋の旬が詰まった焼き物8寸、そして薫り高いキノコの炊き込みごはん。



完成したのは、目にも美味しい懐石料理。
とても、外国育ちの留学生が作ったとは思えないのではないだろうか?



スタジオでは森本アナウンサーが、海外の和食料理人の好待遇っぷりを解説。
タイの平均月収は約11万円だが、首都バンコクの本格和食店「菜の花」で料理長を務めるジャランさんの給料は25万円だという。



また、和食を学ぼうと思ったきっかけはマンガだっという意見もあった。
日本では80年代に連載していた「ミスター味っ子」は、今や各国の言葉に訳され、インドネシアや欧米でも大人気になっているそうだ。

和食を外国人が作ることに、まだ違和感がある人もいるかもしれないが、インド出身の父を持つ東大卒のミュージシャンである、グローバーさんは日本の未来についてこう話した。



グローバー「日本国内でも、外国人の和食の職人さんが増えてほしいと思います。日本には、おいしい魚がいっぱいあるのに、外国人観光客は分からないから、とりあえずツナとかサーモンとかで済ませちゃうんですよ。それがもったいない。魚のおいしさを英語や母国語で教えて、さらに世界へと広まっていけばいいなと思います」


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