副操縦士が意図的に墜落させた…裏目に出たコックピット内のテロ対策
フランス南東部で起きたエアバスA320の墜落事故で、きのうフランス検察が衝撃的な会見を行った。
「これは副操縦士の意図的な行為です」
「自ら降下させるためのスイッチを操作したのです」
「彼には機体を破壊する意図があったと思われます」
副操縦士のアンドレアス・ルビッツは27歳と若く、飛行時間も630時間と経験は浅かった。
そのルビッツ副操縦士は、機長がトイレに立ったあとコックピットのドアをロックして急降下を開始。
そして1万2000mから約8分で1万m高度を下げ地面に激突…。
その間、機長はドアを開けようと叩き続けていたが副操縦士は何も返答しなかった。
とくダネ!は墜落機と同じコックピットを備えたフライトシムを取材し、問題の降下スイッチを見せてもらった。
スイッチは回して操作するもの…つまり、頭をぶつけるなど、アクシデントで誤ってスイッチが入ってしまう可能性は限りなく低い。
通常、パイロットが意識を失うなどの緊急時は、ドア横のパネルに暗証番号を打ち込めば外からコックピットのドアを開けることができると、元日本航空機長の塚原利夫さんは指摘する。
一方、コックピット内部には、テロリストなどの侵入を防ぐため、暗証番号を無効化するスイッチもあるという。
航空評論家で元全日空機長の前根明(まえね あきら)さんもドアの問題点を指摘する。
前根「コックピットへのドアは911事件で良かれと思って強化した。外から入れないようにしたことが今回は裏目に出てしまった」
中瀬「操縦室の開閉がコックピット内の人間に委ねられるとなると、コックピット内の人間が判断したことを止める手段があるんだろうか」
テロ対策のために施されたセキュリティ強化が今回の惨事につながってしまった。
多くの犠牲者と、その家族のためにも今後の原因究明と防止対策が待ち望まれる。