カナダ発→成田行きの飛行機内で赤ちゃん出産…国籍はどうなる?
きのう10日、成田空港が緊張に包まれた。
着陸を予定していたカナダ発の旅客機で緊急事態が発生したのだ。
それは…飛行機に乗っていた23歳のカナダ人妊婦が、突然 太平洋上で産気づいた。
しかし幸いにも、この飛行機には偶然3人もの医師が乗り合わせていた。
結局 3人の医師の献身的な働きで、妊婦は無事女の子を出産した。
成田空港では、カナダ人の父に抱かれた元気な赤ちゃんの姿が見られた。
両親はこの女の子を「クロエ」ちゃんと命名したという。
ここで問題…
「カナダ発」「成田行き」の「カナダの航空会社の飛行機」が
「日本上空」を飛行中に「カナダ人の母」が
生んだ赤ちゃんは、ドコの国籍になるだろう?
正解はカナダ国籍。
日本は、両親のどちらかが日本人でないと日本国籍を得られない「血統主義」を採用している。
たとえ、クロエちゃんが日本国内で生まれたとしても、カナダ国籍になるのだ。
ではもう一問、これは2008年に実際にあった出来事。
「オランダ発」「アメリカ行き」の「アメリカの航空会社の旅客機」が「カナダ上空」を飛行中に「ウガンダ人の母親」が産んだ赤ちゃんは、ドコの国籍になったのか?
実は、赤ちゃんの国籍は次の3国から選ぶことができる。
@ 母親と同じウガンダ国籍が選べる。
A アメリカの飛行機の中は、飛行中はアメリカ国内とみなされるのでアメリカ国籍が選べる。
B カナダ上空なのでカナダ国籍も選べる。
で、結局この母親がわが子の国籍にと選んだ国はカナダだった。
慶応義塾大学准教授・石戸奈々子さんは、妊婦が飛行機に乗ることに自体に注意を呼びかけた。
石戸「私も妊娠中に国際線に乗らなくてはいけないことがありました。
でも万が一海外で産気づいたら保険の適用外になって高額の費用が掛かったり、
適切な医療が受けられない場合もあるので慎重に調べた方がいいですよね」
航空会社によっては、妊婦が飛行機に乗るとき、診断書の提出や医師の同乗を求める場合があるという。