これが暴言? 保護者と看護師で異なる認識
鳥取県立養護学校で医療ケアに当たっていた看護師6人全員が、先月末に一斉に辞職してしまった。
辞職の原因は、ある保護者から「威圧的な言動」があったためと言われている。
一部のネットニュース、例えばハフィントンポストでは「鳥取養護学校の看護師、全員辞職 モンスターペアレントが原因か?」と報じるなど保護者への批判が高まっている。
一体、看護師は保護者から何を言われたのか?
とくダネ!は保護者への独占取材をすることができた。
養護学校に通うこの保護者の息子(6)は病気のため、鼻に通した管から、1日何回も栄養補給と薬品を投与する医療ケアが欠かせない。
きちんと定刻に行わなければ命の危機にも直結するという。
しかし、ある時看護師の処置が遅れ、息子に低血糖の症状が出かかっていることに気が付いた。
「“時間が遅れているよ”とは言いました」
Q:そうしたら?
「無視です。」「こういうの(遅れること)をやってもらったら困りますと言っているにもかかわらず時間を超えるし、それで暴言だって言われたらちょっと」
一方、鳥取県議会で説明された看護師の辞職理由は…
「(保護者から)かなり生命に関わるような厳しい言い方で、毎日のように特定の看護師に対して、繰り返し同じようなこと、例えば、点滴の位置が毎日のように非常に低いとか看護師の方を逆に『なんでこんなことするの?』『うちの子殺す気?』というくらいのそんな勢い」
保護者と看護師、双方の言い分に大きなズレがある。
さらに看護師は、慢性的な人手不足を改善しようとしない学校側にも不信感を抱いていた。
一方、保護者も謝罪をしようとしない学校への不信感を募らせている。
新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんは、今後の改善策を心配する。
中瀬「これはもう水掛け論かも知れない。言われた側は暴言だと思っているかもしれないし、保護者の方は当然の要求をしたのにモンスターペアレント扱いされたと思っていらっしゃる。一刻も早く信頼関係を改善しないと、子供たちが一番かわいそう」
鳥取県教育委員会は、きのう応援の看護師3人を派遣し一部の生徒が登校を再開。
しかし、看護師の人材が圧倒的に不足している。生徒全員のケアが難しい状況をいったいどうすればいいのだろうか?