「幸せだったよ、愛してる…」フェリー火災 死を覚悟の遺言映像
先週金曜日、北海道の苫小牧に向かうフェリー「さんふらわあ だいせつ」で火災が発生。
とくダネ!は乗り合わせた方が撮影した数々の映像を入手、船内の状況をお伝えした。
異変が起きたのは午後6時前。
目的地である苫小牧沖 約55qの海上で、船の後方から黒煙がもうもうと噴き出た。
船長は総員退避を指示。
乗客らは救命胴衣を装着し脱出の準備を整えた。
しかし、出火から約40分経っても救助は到着しない。
甲板の下からは爆発音が繰り返し聞こえたという。
乗客乗員は、あわせて94人。
中には夏休みということもあり、家族連れや観光客の姿も多く見受けられた。
乗船していた韓国人の男性は、セウォル号沈没事故を思い起こしたのか、とっさに家族に向けた遺言を録画
「船で火災が発生した。何があっても元気でいてね。また会えるかどうかちょっと不安だけど○○○がいて幸せだったよ。苦労ばっかりして申し訳ないね。愛してるよ」
この危機的状況にも関わらず、乗組員は的確な指示を出し、乗客も落ち着いてそれに従っていたという。
午後6時10分、フェリーから脱出用シューターと救命用のいかだが降ろされた。
そして総員退避の指示から約1時間20分後、乗客71人と消火活動中に行方が分からなくなっていた二等航海士の織田邦彦さん(44)を除く乗員22人は船を脱出。
船長はさらに2時間船に残り捜索にあたった。
しかし、きょうになって船内からは織田さんとみられる遺体が発見された。
慶応義塾大准教授の石戸奈々子さん(@nanakoishido)さん
「船長も最後まで乗客の救助に当たったというのは迅速で適切な対応だったと思います。これから原因の検証なども行われると思いますが乗客全員が逃げられたことも、きちんと記憶に残していただきたいと思います。」