中東の専門家が指摘する『チュニジアが安全ではない理由』

中東の専門家が指摘する『チュニジアが安全ではない理由』

2015年03月20日 (金)
公式ツイッター @web_tokudane

地中海クルーズを楽しんでいた日本人が突然テロに巻き込まれた。



豪華客船が寄港する北アフリカ・チュニジアの首都チュニスで18日、武装グループが観光客に向かって銃を乱射。
47人が負傷し、日本人女性3人を含む23人が死亡した。
現地旅行会社は、これまでテロで一般市民や観光客が狙われたことはほとんどなかったと言う。
アフリカの中で比較的安全な観光立国として知られ、日本人にも人気が高かったチュニジア。



梅津「チュニジアにいる友人に聞いたんですが、現地の人は『首都チュニスでテロは起こらない』と言っていたそうなんですが」

梅津アナの疑問に、中東情勢にくわしい国際開発センター研究顧問・畑中美樹(よしき)さんは、日本ではあまり知られていないチュニジア情勢を解説した。



畑中氏「実は日本にはあまり伝えられていないんですが、チュニジアの地方都市や山岳部ではテロが起きていました。全く安全な国とは言えません。特に周辺に危険な国が多かったので、要注意であったのは確かです」

畑中氏「去年の春ぐらいから、政府が徹底的なテロの掃討作戦をはじめて、テログループは山岳部国境に逃げ込んでいたんです。したがって都市部は安全になったという意識があったのだと思います」

さらに、過激派組織「イスラム国」にはチュニジア出身のテロリストが3000人もいるという。
比較的治安がいいはずのチュニジアがテロリストを多数輩出している理由とは?

畑中氏「チュニジアは高等教育が進んでいて、世界情勢を理解している教養のある人が多い。それだけに現状に対する不満が強くて、そこに『イスラム国』が理想郷を提示すると、理想に燃えてしまう若い人が多い」

このテロ事件を受け、外務省は首都チュニスへ渡航する際の危険情報を更新。
これまで4段階の一番下だった「十分注意してください」から「渡航の是非を検討してください」に一段階引き上げている。

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