#2 8月6日（土）スタートの土ドラ『個人差あります』にトリプル主演する夏菜さん、
新川優愛さん、白洲 迅さんにインタビュー！
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夏菜 男性は、悩みを周りにあまり相談しないんだって思いました。それと、私ってすごく女性っぽいんだと気づきました。女の子って、ペラペラしゃべるでしょ？　だから、女性社員３人がバーッとしゃべっているところとか、すごくよくわかるなって。

新川 性的マイノリティの方の声が大きくなっているというのは、ネットニュースやSNSで目に留まることもあるので知ってはいましたが、自分に近い出来事ではないと漠然と思っていました。今回、そういう方がいらっしゃるのを再認識したのはもちろんですが、男性だから女性だから好きになったということではなくて、その人に魅力を感じて、その人が素敵だと思ったから好きになったということを、この台本を読んで思いました。

現実の世界でも、性的に悩んでいる方もいると思いますが、このドラマを通して、ちょっとでもその方たちのよりどころになれたらいいなと思います。

夏菜 私自身は、ストレートな女性なので、中身も外見も女性ですが、晶は中身は男性で外見は女性です。夏菜晶が苑子を好きになるということは、私としては同性を好きになるということ。

その気持ちがどうしてもわからなくて、苦労しました。今でも理解しきれたかというとそうではありませんが、演じる前と比べたら、いろいろな資料などを見て、知ることができた分、理解はできたかなと思います。

白洲 僕も、異性化する前は、普通の１人の男性として演じていればいいので問題ないのですが、女性化したあと、また男性に戻るんです。女性化を経験し、女性の気持ちが少しわかった晶をどう演じるか。

女性化した晶が会社の女性たちと接したからこそわかることもあるだろうし、肉体的に女性になったことで精神的に変わることもあると思うんです。ただ、その現象はなかなか勉強の仕様がなくて(笑)。

だから、想像の範囲内でしかないですけど、悩んで迷うという状態が正解なのかなって。どっちか迷う瞬間が、僕らに課題を与えられたと理解しています。

新川 2人と向き合うのが難しいのもありますが、晶が男性と女性を行ったり来たりするんです。それだけでも苦しいのに、その中で起きる事柄に向き合っていかなければならなくて、これは本当に難しいです。

最初は、ある日突然、体調が悪くなって女性になってしまうのですが、それ以降、白洲さんに戻る、また夏菜さんになるということが繰り返されて、そこにはまた違う理由があるんです。

そうすると、苑子は、最初の夏菜晶と2番目の夏菜晶に対しての接し方が違ってくるので、そこが一番難しいですね。

夏菜 私の役は、端から見たら、女性が女性を好きになるわけです。でも、それは突き詰めて考えていくと、人として好きということなんですよね。以前は、そこまで考えようと思ったこともなかったですし、知りたいとか理解しようという気持ちより、他人事のような気持ちでした。

でも、本作に携わって、晶と苑子の関係性がうらやましいと思いました。やっぱり、究極の愛なんですよ。私の人生の中で理想の2人です。こうやってお互いに思いやって生きていけたらいいなと思いました。

新川 プロデューサーさんや監督さんは、「コメディにしたくない。真剣にやっていきたい」とおっしゃっていました。大切な人に何かが起きた時、一緒に苦しんだり、支えになってくれる人は必要です。男女関係なく、本当に大切な人はだれかを気づかせてくれることが、この物語なのかなって。そこがおもしろいところであり、じんわりするところではないかと思います。

白洲 テーマがなかなかに重いものなので、ただのコメディにはしたくないというのはありますが、やっぱり、コメディ要素があるところがおもしろいと思います。それには、晶のキャラクターがすごく大きいと思っています。晶は、良くも悪くもすごく素直な人間で、起こっていることはすごいことなんですけど、素直に受け入れたり、素直に苦悩したりするんです。

最初は、どんどん女性になってしまって、この先、どうするの？戻るのか、戻らないのか――。このテーマをおもしろく見られるのは、晶のキャラクターにかかっていると思います。

夏菜 この作品は、勉強になることがたくさんあります。夫婦関係の在り方、男性として女性としてなど、今を生きていくみなさんにとってのアドバイスになる要素が詰まっています。

私自身も、考えさせられることがたくさんあって、「夏菜として生きてきたけど、もっと柔軟に、もっと頭を柔らかくして生きてもいいんじゃない？」と思えました。みんながこうだから、こうしないといけない、みたいなものを取っ払ってくれるドラマだと思っています。

みなさんがこの作品を見て、感じて、自由に生きていってもらえるような、そんな元気が出るドラマにしたいと思っています。ぜひ見てください。

新川 苑子としては、夫が異性化してしまって、いろいろな出来事がある中で、ずっと悩んだり苦しんでいることが多いんですけれども、すごく芯の強い女性で、どうしたら夫が少しでも女性になった生きづらさを感じずに、悩まずにいられるかを考えて、献身的に支えていきます。その姿は、原作でも台本でも丁寧に描かれているので、私も大切に演じていきたいと思ってます。

いろいろなことが起こって、最後まで苦しんでも、前に進んでいくお話です。見てくださったすべての方が少しずつ楽になる作品なんじゃないかと思うので、ぜひご覧ください。

白洲 人それぞれ固定概念や考えをお持ちだと思います。異性化という突拍子もない話ですが、そのおかげで固定概念や無駄なフィルターみたいなものを取っ払って見ることができるのではないでしょうか。

本作は、夫婦の話ではありますけれども、ひいては人間関係の話でもあります。男性目線、女性目線、両方目線、いろいろな目線があって、異性化するからこそ、そこがあいまいになっていく作品なので、いろいろな人に見ていただきたいです。

夫婦だけでなく、会社の同僚、友達、家族など人間関係はたくさんあるので、現代社会に生きるすべての人に、何か伝わるものがあると信じて作品に取り組んでいますので、ぜひ見ていただけたらうれしいです。