窪田正孝が放射線技師の卵たちにエール
「何よりも、自身の健康を大事に」

本作の医療監修を担当した五月女先生とのトークセッションでは、どんな指導を受けたかが話題に。窪田さんが「僕らは長セリフが多くて。専門用語は馴染みがないから、とにかく口に馴染ませるんだけど、まぁ分からない」と、苦労したそう。特に、セリフとパソコン操作が合わないことが多かったといい、「『こうすると、この画面が出るので』って言われてやっていると、もう3個くらい先の画像が出てるんですよね」と苦笑。本田さんも「『この病名はなんですか？』というところから聞いていました（笑）」と、根本的なところから五月女先生に聞き、撮影していたそうです。

それだけ苦労して撮影したということで、司会から「少しは読影できるようになりましたか？」という質問が。本田さんは「いまだに、脳腫瘍がどれだか、私は分かってないです（笑）」と正直に告白。一方の窪田さんは、「なんでも分かる！五十嵐唯織だから」と宣言して、会場を笑わせました。

イベントの後半は、学生からの質問に窪田さん、本田さん、五月女先生が答える質疑応答の時間も。最初の質問は「（映画は）壁がテーマでしたが、皆さんが壁にぶつかった時、どのように対処していますか？」。窪田さんは「開き直ることが大きかったかもしれない。人の目を気にすることもあったけど、周りの人は関係ないし、自分がやりたければ誰にどう思われようと、やればいい。（そうすることで）壁を越えられたかは分からないですけど、向き合えたと思います」と、自身の経験を踏まえた回答を。

本田さんは、「無理に登ろうとしなくていいと思うし、越えようと思う必要はないです。少しずつ勉強したり、『これで合ってるのかな？』と思いながら頑張っていると、気づいたら壁が低くなっていることがあるんです。だから、壁があるから頑張るというより、自分のために頑張ったらいいと思います」。五月女先生は「ハードルは越えることが大事なんじゃなくて、その先に行くことが大事。だから、くぐっちゃえばいい」と、それぞれ独自のアドバイスを送りました。

「放射線技師を目指すうえで、毎日勉強で苦労しているのですが、難しいセリフがあった時に、どのように覚えていますか？」という質問には、窪田さんが独特のセリフの覚え方を披露。「僕は、台本を写真にして覚えることが多くて。右側のページに相手のセリフが5行くらいあって、自分が一言しゃべって…と、写真にすると覚えられます」と語ったところで、本田さんの頭の上には「？」が並びます。「文字を覚える」というよりも「絵を覚える」という感覚だと窪田さんが説明すると、本田さんは「アーティスティックな覚え方してますね？」と、ボソリとツッコミ、笑いを起こしました。

そんな本田さんは、「ひたすら読んで、書いて、理解する」と、とてもシンプルな方法で覚えていると明かしました。

イベントの最後は、窪田さん、本田さんから学生へエールを送ることに。本田さんは「『自分は今、本当にこれが好きで勉強できているのかな？』と、分からなくなる方もいらっしゃると思います。でも、もし皆さんが将来、放射線技師という道を選ばなくても、これまで勉強してきた時間は、絶対に自分の自信につながるので大丈夫です」と力強くコメント。そして、「皆さん頑張ってください。いつか、検査してもらいたいです（笑）」と、付け加え笑顔を見せました。

窪田さんは、「皆さんが救える命は、たぶんたくさんあると思うので、まずは何よりもご自身の健康を大事に考えてください。食べるものがないがしろになったり、睡眠時間を削らなければならないことがあるかもしれないけど、必ずそれを挽回するポイントを作ってください」と、学生の健康を気遣う優しさを見せました。

イベント終了後、フォトセッションの準備のため一旦会場を後にした窪田さんと本田さん。準備を終えて会場に戻ってくると、学生たちは全員が白衣姿に。これには驚いた様子で、窪田さんは「えー！なんで白衣着てるの？僕も着たかった～」と、こぼす場面も。そして、フォトセッションを終えると、窪田さんと本田さんは学生たちの顔をしっかり見て何度もお辞儀をしながら会場を後にしました。