ハチマガ

#1 クリスマスイヴに先行配信&2026年1月地上波で4週連続放送!ドラマ『嘘が嘘で嘘は嘘だ』で主演の菊地凛子さん、共演の錦戸亮さん、竹原ピストル、塩野瑛久さんにインタビュー

菊地凛子(きくち りんこ)さん
1981年1月6日生まれ。神奈川県出身。1999年に映画デビュー。映画『バベル』(2007年)でろうあの女子高生を演じ、『ゴールデングローブ賞』『アカデミー賞』の助演女優賞にノミネートされる。主な出演作に『ノルウェイの森』(2010年)、『パシフィック・リム』(2013年)、『47RONIN』(2013年)、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)、『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ)、連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)、『ホットスポット』(日本テレビ)、『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ)など。
錦戸亮(にしきど りょう)さん
1984年11月3日生まれ、大阪府出身。1997年から芸能活動を開始。アーティスト、俳優として幅広く活躍。主な出演作に『ラスト・フレンズ』(フジテレビ)、『流星の絆』(TBS)、『ごめんね青春!』(TBS)、『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ)、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK)『不適切にもほどがある!』(TBS)、『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ)、『離婚しようよ』(Netflix)、映画『ショウタイムセブン』、『ブルーボーイ事件』など。
竹原ピストル(たけはら ぴすとる)さん
1976年12月27日生まれ。千葉県出身。2003年にアーティストデビュー。2006年に映画『青春☆金属バット』に主演し、テーマソングも担当。2011年、映画『さや侍』に竹原和生名義で出演し、主題歌『父から娘へ~さや侍の手紙~』が話題に。2016年、映画『永い言い訳』出演で『第90回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞』、『第40回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞』を受賞。2017年に『第68回NHK紅白歌合戦』に出場。主な出演作に映画『糸』、『サバカン SABAKAN』、『ファーストキス 1st KISS』、『悪い夏』など。
塩野瑛久(しおの あきひさ)さん
1995年1月3日生まれ。東京都出身。2012年、芸能界デビュー。主な出演作にスーパー戦隊シリーズ『獣電戦隊キョウリュウジャー』(テレビ朝日)、『来世ではちゃんとします』(テレビ東京)、『ブラザー・トラップ』(TBS)、『天狗の台所』(BS-TBS)、大河ドラマ『光る君へ』(NHK)、『魔物』(テレビ朝日)、『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに』(カンテレ・フジテレビ)、映画『HiGH&LOW THE WORST』シリーズ、『八犬伝』など。

12月24日(水)0時にFODで一挙先行配信、2026年1月11日(日)23時15分からフジテレビにて4週連続放送されるドラマ『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は、ドラマ『silent』『いちばんすきな花』『海のはじまり』などのヒット作を手がけた脚本家・生方美久さんの待望の新作。

クリスマスイヴの夜、雪がしんしんと降るなかで細々と営業する一軒の居酒屋に集った世代の異なる男女4人の会話劇です。

元夫の不倫が原因で離婚して以来、嘘に振り回されてきた主人公・大森みつ子を菊地凛子さん。みつ子の元夫で、自身の不倫が原因であるにもかかわらず、みつ子に未練タラタラな小林幸助を錦戸亮さん。

全身黒ずくめで怪しすぎる自称・刑事の並木正義を竹原ピストルさん、イケメンではあるものの、どこか胡散臭い結婚詐欺師の中村信を塩野瑛久さんが演じます。

ハチマガではメインキャストの4人にインタビュー。撮影の思い出や共演の感想、生方脚本の魅力などを聞きました。

  • 菊地凛子 錦戸亮の妻を演じることに「苦情が来ないか心配したけれど、離婚していると知って安心しました(笑)」

まずは出演が決まったときの心境から聞かせてください。

菊地 今回の大森みつ子という女性はすごく面白いキャラクターなんです。
プロデューサーの金城(綾香)さんとは過去に2本の作品でご一緒して、私のことをかなりご存じなのですが、そんな金城さんから「菊地さんに近い役だと思う」とお話をいただいて。
ただ、錦戸さんの妻役ということで苦情が来ないか心配しましたが、すでに別れている夫婦という設定だったので、そこは安心しました(笑)。
錦戸 誰が断って「僕のところに来た話なんやろ?」って思いました。というのは冗談で(笑)、脚本を読んでシンプルに面白そうと感じたので、出演したいと思いました。
塩野 僕はいつか生方さんとご一緒できたらと思っていたので、前のめりに「やりたいです!」とお返事しました。
竹原 私にとってはセリフが多く、間髪入れずのやりとりがふんだんに登場する作品なので「お力になれるかどうか…」という不安がありましたが、やらないと絶対に後悔すると思ったので、とにかく精一杯やってみようという挑戦の気持ちで臨みました。

初めて脚本を読んだときはどのようなことを感じましたか?

菊地 生方さんってこんなにテンポ感のある物語をお書きになるんだ、そして、何でも書ける方なんだと新鮮な驚きがありました。セリフのすべてがキャラクターの人柄をきちんと表していて、だからこそ会話の応酬が面白かったです。
錦戸 僕の中で基準にしていることが一つあって、それは読みながらフッと笑える脚本かどうかということ。今回の生方さんの作品には思わず笑ってしまう部分がたくさんありました。
塩野 生方さんの作品は感情の機微を繊細にすくい上げるヒューマンな部分が大半で、僕もそんな作品にいつか携わってみたいと思っていましたが、今回はまったくテイストの違う話。面白さに感激したのと同時に、さまざまな引き出しをお持ちの方なんだと驚きました。
竹原 生方さんの脚本に触れたのは私も初めてで、先入観を持たないまっさらな状態で読ませていただいたところ、無数の細かいピースが額にピタリと収まるように計算されていて、緻密かつ精巧なパズルのような美しさを覚えました。読んでいて心地よかったです。

そんな生方ワールドの中でお芝居をしたときの感想を聞かせてください。

菊地 私が演じたみつ子は嘘をすごく嫌っている女性なのですが、「人の会話って嘘で構成されているんだな」ということを気づかされる瞬間が多々ありました。
竹原 私は「生方さんが思い描いている並木を演じることができているかな?」ということを常に気にしていました。でも、終盤で現場にいらっしゃった生方さんから並木はあて書きだとお聞きして、クランクイン前に知っていたらもっとリラックスできたのに…と(笑)。そして、「私自身は並木よりまともな人間だと思うんだけどなぁ」とも感じました(笑)。
塩野 お芝居を紡ぐにあたって言いづらいセリフがほとんどなく、会話のキャッチボールがきちんと成立していたことが演じる側としてはありがたかったです。
  • 錦戸亮 リハーサルでセリフをすべて覚えていた竹原ピストルの完璧な準備に動揺!?

撮影の中で印象的だったことを教えてください。

菊地 リハーサルをきちんとできたことがよかったです。自分にはないアイデアが高野舞監督や金城プロデューサーから出て、有意義な時間を過ごすことができました。そして、そんな時間があると、リラックスした状態で本番に臨めるんだなと実感しました。
ドラマって、1人で宿題をやって発表会に臨むみたいな感じじゃないですか。それが今回は4人で宿題をやった感覚で、お互いの距離が近くなりましたし、「試験勉強をどれくらいしました」というような探り合いが楽しくて、キャラクターがより膨らんだ気がします。
錦戸 僕もそう思います。皆でつくり上げたというほど大それたものではないけれど…。
菊地 錦戸さんは誰よりもセリフが入っていましたよ。
錦戸 いやいや、竹原さんがリハーサルからセリフをすべて頭に入れていて、驚きました。
菊地 私、焦りましたもん。「ヤバい」って(笑)。
竹原 菊地さん、錦戸さん、塩野さんの撮影が先にあり、そこに私が合流するという流れだったので、お三方が作られたリズムの上にひょっこり乗っからせていただいたという感じです。心強い状況の中で演じることができました。
塩野 撮影は単純なようで実はとても高度なことをしている印象でした。台本を読んだときに感じたのは、ちょっと舞台っぽい構成だなということ。ト書きが少なく、会話ですべてうまっていて、誰かが発言しているときに自分は何をするのかを考えながら演じるという。
こういう展開って通常1カットの長回しが多いものですが、今回はカットを細かく割ってそれぞれを撮っていたので、“つながり”がすごく難しかったです。「この発言を聞いていたとき、自分は何をしていた?」と思考するのに労力を要しました。
菊地 私はツッコミを入れることが難しかったです。ツッコミ方によっては場面をダメにしてしまう可能性がありますし、ボケもツッコミが面白いから笑えると思うので、みつ子っぽくどうツッコむかというのはわりと考えました。
竹原 居酒屋というシチュエーションなので、ある程度食べながら、飲みながらお芝居をするわけですが、私はこの「○○をしながらお芝居をする」というのが不得意でして。
「このセリフのあとに飲んで、そのあとにこれを食べて、このセリフを言って」みたいなことを頭の中で整理しながら、ときには台本にメモをしながらやっていましたね。難しかったですけどいい勉強、鍛錬になりました。

それぞれのキャラクターを演じるにあたり、心がけたのはどんなことでしたか?

菊地 みつ子は発言の一言一言にきちんと意味があって、セリフを流してしまうと場面が面白くなくなっちゃうので、視聴者の皆さんにきちんと届くように意識して発しました。
竹原 みつ子の鋭角なツッコミには毎度、笑いをこらえるのが大変でした(笑)。
錦戸 一生懸命セリフを覚えていくことくらいです。会話劇ですから、皆に遅れをとらないように、それだけ。
塩野 中村は頭がいい人物なので、まくし立てるように喋りながら人を巻き込んでいくテンポ感、どこか宙に浮いているみたいな言動の軽さ。どれが嘘でどれが本当なのかわからない言い回しや人の懐にズカズカと入っていっても不思議ではない親しみやすさ。結婚詐欺師という設定なので、人たらしの部分が前面に出ていたら面白いなと思って演じていました。
竹原 「並木ってこんな人物かな?」というイメージは作っていきましたが、基本的には高野監督に委ねようと思っていました。現場で監督からリクエストをいただいたときに落ち着いて対応できるよう、セリフを徹底的に頭に叩き込んでおこうと準備をして臨みました。

4人の個性的な登場人物の中で自身はどのキャラクターに近いと思いますか?

塩野 僕は並木さんにちょっと近いのかな(笑)。それこそ並木さんって嘘が下手で、真面目な人だと思うんですよ。幸助さんとも違うし、この中だと並木さんなのかもしれません。
錦戸 僕はみつ子です。あれくらい実直に生きていきたいっていう理想ですね。
菊地 彼女ほど素直じゃないけど、私もみつ子に近いかな。竹原さんも私と同じ種族の匂いがするけどどうですか?
竹原 4人それぞれの言動に「なるほど」という親近感を覚えたので、どのキャラクターにも近い部分、共通している部分があるように思えました。ただ、突き抜けた馬鹿さ加減のみでいうならば、やはり並木が一番近いと思います(笑)。
  • 塩野瑛久 全話を見終わったあとにもう一度見返したら「あ、このとき!」という発見が

本作の魅力をどのようなところに感じますか?

錦戸 クリスマスイヴの居酒屋という1シチュエーションだけで、4話分の物語が進行するってシンプルにスゴいことですよね。
菊地 シチュエーションが変わらない中に生方さんならではのセリフがたくさんつまっているので、新人かのように一言一句、台本に忠実にやらせていただきました。
2話、3話、4話と回を重ねるごとに、もう一度戻って確認したくなるような伏線がたくさん散りばめられているので、そこはきっと面白いと思います。
塩野 まず台本が面白く、4話で完結するので見やすいです。「とりあえず見てみよう」「面白かった」で終わっていただける作品だと自信をもって言えるので、そこが僕の推しポイントですね。
竹原 クスクス笑えるようなやりとりが随所に散りばめられていて面白いです。でも、数本…いうなれば、真理の毒針のようなものが仕込んであります。
ふと気づけばじんわりと毒がまわっていて、「真実って何だろう、嘘って何だろう」なんてじっくり考え込んでしまうかもしれません。そのあたりの絶妙なバランスが魅力なのではないかなと思います。

視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

菊地 4人の中で誰が本当のことを言って、誰が嘘をついているのか。展開の読めない物語がテンポのいい会話劇で描かれるので、セリフの一つ一つをひも解きながら見ると、より面白いんじゃないでしょうか。嘘の種類を見極めながら楽しんでください。
錦戸 嘘みたいな事実もあれば、事実みたいな嘘もあり、疑ったり、疑われたりしながらストーリーが展開していく中、「自分だったら誰のどの発言を信じる」など選択して楽しんでいただきたいです。面白い会話劇になっているのでお楽しみください。
塩野 僕は1シチュエーションの作品が好きで、小栗旬さんが主演された『キサラギ』(2007年)という映画が特に好きなのですが、今回の作品に『キサラギ』と近しいものを感じました。自分が参加していなかったとしても、視聴者としてぜひ見たいと思える作品です。
全話を見終わったあとにもう一度見返してみたら「あ、このとき!」みたいな発見ができると思うので、繰り返して見ていただきたいです。
竹原 2025年の終盤も終盤に、このドラマが見られることを私自身も楽しみにしています。面白いし、ときに考えさせられたり、ビックリしたり、色とりどり、めくるめく物語です。一緒に楽しませていただけたらと思います。皆さん、ぜひぜひご覧ください!

取材・文:荒垣信子

菊地凛子ST/小嶋智子、HM/中村了
錦戸亮ST/本多徳生、HM/TAKAI
竹原ピストルST/上野健太郎
塩野瑛久HM/ 草替拓夢、ST/ 守田圭祐

菊地凛子衣装
ブラウス、シャツ、ニット巻きスカート、中に履いたパンツ(全てリヴノブヒコ)
ピアス(ガブリエラ キス)、リング(カーラ・カルーソ/共にソウス)
●リヴノブヒコ
問い合わせ先:rivnobuhiko@gmail.com
●ガブリエラ キス、カーラ・カルーソ
ショップ&問い合わせ先:ソウス TEL︎03-3443-5588


『嘘が嘘で嘘は嘘だ』

放送:12月24日(水)0時よりFODにて一挙先行配信
2026年1月11日(日)、18日(日)、25日(日)、2月1日(日)
23時15分~23時45分フジテレビ系にて放送

脚本:生方美久
プロデュース:金城綾香
演出:高野舞

出演:菊地凛子、錦戸亮、竹原ピストル、塩野瑛久 ほか

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