カンヌの熱狂冷めやらぬ中、遂に封切 “親子3人”&監督そろい踏みで公開祝い! 映画『箱の中の羊』初日舞台挨拶 オフィシャルレポート
日本映画では『万引き家族』以来、8年ぶりのオリジナル脚本となります是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』(配給:東宝 ギャガ)が5月29日(金)に全国公開いたしました。
現代社会やそこに生きる人々を鋭く温かい眼差しで描き作品を作り上げてきた是枝監督が、最新作『箱の中の羊』で選んだ舞台は、“少し先の未来”。息子を亡くした夫婦はヒューマノイドを迎え入れ、再び家族としての時間が動き出します。やがて一家を待ち受ける、想像を超えた<未来>とは――。
主演は綾瀬はるかと千鳥の大悟。夫婦を演じます。綾瀬は妻で、建築家の甲本音々(こうもとおとね)。大悟は夫で、工務店の二代目社長、甲本健介(こうもとけんすけ)。そして二人の息子、甲本翔(こうもとかける)、その姿をしたヒューマノイドには桒木里夢(くわきりむ)。200名以上のオーディションから抜擢されました。彼らが織り成す新たな“家族のかたち”に、世界中から期待の眼差しが向けられています。
そして本作は、第79回カンヌ国際映画祭【コンペティション部門】にも正式出品。是枝監督作品がカンヌ国際映画祭で【コンペティション部門】に選出されるのは、2023年の『怪物』以来3年ぶり、8回目の選出(本映画祭への出品自体は10回目)。本作は国内に留まらず、早くも世界184の国と地域で配給が決定しており、NEONの配給が決まっている北米ほか、韓国、タイ、台湾などのアジア各国・地域、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、スペインなどヨーロッパ諸国、南米や豪州など全世界各国・地域で今後劇場の公開が予定されるなど、国際的な舞台においても期待と勢いが高まっています。
カンヌ国際映画祭の熱狂も記憶に新しい5月29日、
遂に迎える映画公開を祝して<初日舞台挨拶>を実施いたしました!
フランス現地5月16日、カンヌ国際映画祭での公式上映で拍手喝采のスタンディングオベーションを浴びた興奮も記憶に新しい中、5月29日(金)に是枝裕和監督の最新作『箱の中の羊』が待望の公開初日を迎えた。日本映画としては実に8年ぶりとなるオリジナル脚本で、テクノロジーが進化した少し先の未来の“新たな家族のかたち”を描き切った是枝監督をはじめ、W主演を務めた綾瀬はるかと大悟(千鳥)、そして息子役とヒューマノイドの一人二役を演じた桒木里夢が帰国後そろって登壇。上映直後の観客を前に、万感の思いや今だからこそ話せる撮影秘話を明かしたほか、“親子3人”で歩んだカンヌの舞台裏、そして映画初主演にして初の初日舞台挨拶に挑む大悟のトークなど、世界が注目する本作の華々しい幕開けとなった。
この日の舞台あいさつは映画上映後に実施。上映を終えたばかりで、作品の余韻漂う会場内にキャスト、監督らが登壇すると観客からは大きな拍手が。そんな中、階段をのぼる綾瀬を大悟が手を添えてエスコートすると会場からは大きな歓声が。そしてエスコートを終えたばかりの大悟を、なんと桒木がエスコートしてみせるという展開に、会場からはさらなる大きな歓声が沸き起こった。
さらに桒木が「出てくる時から本当に緊張していました。すごく良かったなと思いました」と語り、会場を笑顔に包み込むと、大悟が「(ロボットでなく)人間です」と付け加え、会場を沸かせる。そして最後に是枝監督が「こんな風にたくさんのお客さんの前で初日を迎えることができまして、本当にありがとうございます。いいチームワークで作品作りができたなと改めて実感しております」としみじみと語った。
そして、あらためて初日を迎えた思いを尋ねられた是枝監督が「映画の企画がスタートしてまだ2年ちょっとという、すごくスピーディーに完成までたどり着いたんですが、とても濃密な2年間でした。クランクインして、お芝居を見ながら台本を直したりとキャストの皆さんも少し戸惑われたこともあったかもしれませんが、その分、自分が感じたこと、考えたことがそのまま作品になっているなと、でき上がったものを見て感じています」としみじみとコメント。綾瀬も「完成披露やカンヌでも温かく観ていただきましたが、いよいよ今日が本番のような感じがしています。皆さんに届けばいいなと、緊張とワクワクを感じています」と続けた。
カンヌ国際映画祭前となる5月11日に行われた完成披露試写会では、「綾瀬さんをエスコートしてみせる」と宣言していた大悟。その結果について質問されると、「見事、エスコートはできました。緊張はありましたけど、ワシは46歳なんで。右手くらいは上げられるんですよ」と回答。綾瀬からは「すごく紳士的に、毎回ちゃんとペコっと手を出していただいて。すごく緊張もする場なのに、とっても安心感があって。大悟さん、ちゃんと手を出してくれて偉いなって思いました」とのコメントが飛び出し、会場内はドッと沸いた。その言葉に大悟も「帰ってきて何度もこの話になるんですけど、大悟の手が緊張でビシャビシャだったとは言わないでいてくれる。そこがすばらしいですね」と明かし、会場は大笑い。さらに桒木の方を見やり、「今日は里夢に(エスコートを)していただきましたからね」と笑う大悟だった。
そんな3人の関係性について是枝監督も「撮影がない時も控え室に戻らず、セットのたまり場で3人が集まっていました。家族がするような、どうでもいいような話をそこでしていて。そのまま撮影に呼ばれるという感じでした。それは意図していたわけではないんですが、すごく作品には反映されたなと思って。しかも綾瀬さんが遊んであげているというよりも、自分が楽しんでいる感じが本当に素敵でした」と振り返ると、3人について「理想的でしたね」と満足げに付け加えた。
そんな中、印象に残っているシーンについて質問を受けた大悟が「強いて言えば、綾瀬はるかに膝枕されて照れていない大悟はすごいですよ。あそこでニヤつかないのは相当すごい。ニヤついてなかったでしょ。そこは評価してほしい」と会場に向かって鼻高々に語りかけると、会場からは大きな拍手が。
だが、実はそのシーンの撮影にはちょっとしたハプニングがあったという。「監督が『よーい、スタート!』ってやったら、綾瀬さんが台本の真ん中をすっ飛ばして、最後の方のセリフを言っちゃったんですよ。膝枕のところを早くにやってしまって。『あれ?』と思いながらそのままやっていたんです。あそこで使われているのはNGテイクなんですよ。だからニヤニヤしてなかったのかも」と明かし、会場を沸かせた。その真意について是枝監督からは「綾瀬さんが台本を少しすっ飛ばしたので大悟さんは戸惑っているんですけど。カットがかかるまで綾瀬さんが全然気づかなくて。でもやってみたら、『その方が自然だな』というか、こっちの方が面白いなと思ってそのまま採用しました」と振り返った。
そして締めくくりに大悟が「この映画に出させていただいてから、こういう場というか、ちゃんとした式典のような場に行った時に、ちゃんと立つとか手を前にやるということが意外と大事だなと思って。いくらちゃんとしたことを言っていても、こうやって(だらけた格好)していたら変じゃないですか。それを46歳になって気づきました」と明かし、会場を沸かせた。
そんな大盛り上がりのイベントもいよいよ終盤に。最後のコメントを求められた桒木が「最初の日からこんなにファン(観客)ができてホッとしました。応援してくれてありがとうございます」と語ると思わず笑みがこぼれる会場内。さらに大悟も「初日から来ていただいて、皆さんの顔を見ているとよかったなと思います。でも家に帰るまでが試写会なので、気をつけて帰ってください」とメッセージ。さらに綾瀬が「音々の目線、健ちゃんの目線から、目には見えない大切なものが届いていると嬉しいです。皆さんの言葉で、多くの方に届くといいなと思います」とコメントすると、最後に是枝監督が「視点を変えると、二度三度といろんな味わいができる映画になったかなと思います。もし気に入ったら、お友だちを誘っていただいて、里夢くんのファンを増やしていただけたら嬉しいです」と客席に語りかけ、温かな拍手の中、初日の舞台あいさつは幕を閉じた。
STORY
彼が到着した日、「おかえり」と駆け寄り喜びを隠さない音々と、戸惑いを隠せない硬い表情の健介。「パパだよね」と問いかけられた健介は、「おじさんでええよ」と答えるのだった。
少しずつ動き始める家族の時間。静かに広がっていく波紋。ほどなく予期せぬ事態が起こり、夫婦がそれぞれに抱く息子の死への想いが露わになっていくのだった。夫婦とは?家族とは?彼らは大きな決断に迫られる。
そんな中、ヒューマノイド翔は密かにヒューマノイドの仲間たちとつながり始める──。
■出演
綾瀬はるか 大悟(千鳥)
桒木里夢 清野菜名 寛一郎
柊木陽太 角田晃広 野呂佳代 星野真里 中島歩
余貴美子 田中泯
■監督・脚本・編集
是枝裕和
■音楽
坂東祐大
■製作
フジテレビジョン ギャガ 東宝 AOI Pro.
■制作プロダクション
AOI Pro.
■配給
東宝 ギャガ
©2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro.
